リツエアクベバ

satomies’s diary

戦争なんだな

知的障害がある大人の余暇支援活動の運営をしている。「音楽活動」。がちゃがちゃとみんなで楽器を鳴らす。ボーカル、ギター、ベース、ドラム。バンドやろうぜ活動だ。

2月の終わりに3月の活動中止を決めた。早めの決断だった。3月に入り「5月の日程を決めて、その連絡と一緒に4月の中止の連絡をする」ということにした。早めの決断だった。この決断には「息子の風邪」が関係する。世の中には、息子のようなわけのわからん危険ラインが少なくないのだと、そんな感想が慎重になれと示唆したようなものだ。この時点で、他の余暇支援はまだ実施しているところもあった。

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4月に入った。4月に学校が始まるはずだったのに、延期された。そんな状態で5月の活動はできるのだろうか。4月中に今年度の助成金の申請のための書類を作らなければならない。しかし、今年度は果たして活動ができるのだろうか。申請する助成金は、年10回以上の活動が必要だ。

できないよ。でも、「できるのだろうか」と迷いたいのだ、きっと。日常に戻れるのだと信じたいのだ、きっと。
ああ、戻れないのだ。そんな簡単ではないのだ。そう、きっぱりと思った。ミュージシャンである講師陣やスタッフに話す。「5月も中止。再開未定。助成金の申請もしない。秋以降を目処に考える」。異論は出なかった。出たのは現状に対するため息だ。

新型コロナウィルスとの戦いについて「これは戦争だ」と異国のトップが言ったと。そうニュースで見た。そうなんだなと思う。余暇活動が奪われていく。ライブハウス がカラオケが映画が外食が、ダメなものになっていく。戦わなければならない。じっと自宅で自室で。戦争を知らない子どもたちと歌ったのは、わたしよりちょっと上の世代だった。じわりじわりと生活に浸食していく。国と国の殺し合いとはまた違った、異質な生きものと人類の戦いなんだなと思う。

今日の夕食は、みんな大好き唐揚げだった。ビールがうまい。揚げ物の時のいつものことだが、家族は食卓を囲み、わたしは台所で揚げ続けながら揚げたてをつまみにビールがを飲む。台所で音楽をかけて踊りながら飲みながら、揚げ続ける。うまい、ゴキゲンだ。

でも。世界は戦い続ける。まだ先は見えない。