リツエアクベバ

satomies’s diary

ありがとう

今日ね、娘を連れて実家に行ったの。夫が社員旅行で、息子は友達とオートキャンプで。二人だけだったから、娘もどこか行きたいかなって思って。

ここんとこのぐずぐず天気のなかで。まあそこそこ天気がいい土曜日だったからか、電車はけっこう混んでたの。背の低い娘を連れてるから、うまくつかまる棒のある場所に行きたいなって思ったけど。結局それも無理で。つり革捕まるわたしのカバンのところをつかんでいなさいねと。そんな感じで。

それで、電車は大きな駅に来たときに。娘の前の人が駅にとまる前に、早めのタイミングで立とうとしてて。座らせられると危なくないかなって思ったんだけど。するっと横のひとが回転するように座ったから、まあ仕方ないなって思って。でもそうやって人が動いたから娘がつかまるところもできたなって思ったの。

そうしていたら駅について。そうしたら、今別の人が座った席のその左隣の人が、駅に降りるために立った。娘の目の前だったから「座っていいよ」って娘に言ったの。それで娘が座った。電車の中では、駅に降りる人が移動していて、乗る人はまだ入っては来てなかった。

その時に。娘が座ったそのまた左隣の女の人が。すたっと、もうしゅぱっと、すごい勢いで向かいの席に移動したの。

え?なに?

向かいの席が空いてたらしくて。しゅぱっと、さささと、立ち上がって動くというより素早く移動して、何事もなかったように向かいに座ったの。

え?なに? ああそうか。

「うわっ!ありがとうございます!」

つまりね、わたしが娘の隣に座れるように席を移ってくれたの。うわって感じでばばばとお礼を言ったんだけど。本当に小さくうなづいてて。
この、しゅぱっとさささねえさんは、若い女の子。20代後半くらいかな。ちょっと大きい声でお礼を言い過ぎたかな、恥ずかしかったかなと少し反省した。

それから30分くらい過ぎて、降りる駅についたの。しゅぱっとさささねえさんはまだ乗ってるみたいだったから、降りる前に挨拶しようと思ったの。
でもさっきみたいに大きい声じゃなくて、そうっと言おうかなって思って。
席を立ってから彼女の前の顔を向けて、にこにこしながら口だけでそうっと「ありがとう」って言ったの。

にこにこにこってして、笑顔のままでそっと首を横にふった。

かわいかったーーー。すてきな女の子だったぜ。ありがとう。