リツエアクベバ

satomies’s diary

おばんぷ

BUMP OF CHICKENのどこがいいの?」

と、ある日姉がわたしに聞いた。

まあ人から見たら単なる数あるバンドのうちのひとつだと思う。じゃあどこがいいのか。メンバーの誰かがすごく好きとか、特定の曲がすごく気に入ってるとか、そういうのとちょっと違う。

あのね。彼らの音楽には胸の奥がきゅうってするスイッチみたいなのが仕込まれている感じ。それでそのスイッチに反応してしまう人がいるみたいだ。どうもけっこうな人数で。

わたしにもわたしの胸の中にも、どうやらそのスイッチがあるみたいなんだ。そんな感じ。

彼らの曲全てが、ってことでもないんだよね。特にくる曲ってのがあって。それは「胸キュンやられ層」の人たちの中でも微妙に「特にくる曲」は違うみたいだ。
あと「普通に好きな曲」というのと「ズッキュンやられ曲」というのがある。
それから何度も聴いてるのに「ちょっと待て、今なんつった?」とひとつのフレーズにやられる場合もある。
何度も聴くうちに、自分の中に曲が描く絵が出来上がって、その絵に涙することもある。

変な話でしょ。わかりにくいね。でも「胸キュンやられ層」の人間には理解できることだと思う。

歌詞も声もないのだけれど。彼らの6枚目のアルバム「COSMONAUT」の一曲目の「三つ星カルテット」。このイントロのギターでズッキュンきまして。うわ、なんかヤバいと思っていたのだけれど。

BUMP OF CHICKENと仕事を何度もしたAR三兄弟の川田十夢さんがツイッターかなんかで書いてたこと。「BUMPとの打ち合わせ中にフジくんが三つ星カルテットのイントロのギター部分を何気なく弾きだして。キュンキュンして仕事にならないからやめてもらった」。
おお、そうかー。やっぱりなあ。と、「胸キュンやられ層」仲間を感じましたね。言ってること、すごくよくわかった。

彼らの曲はたくさんあるんだが、最近の曲では「話がしたいよ」は初っ端から胸キュン砲が全開でぶちかまされる。この曲でMステ出たからおばちゃん友達何人にも「見て見てー!」って言った。でも「胸キュンやられ層」はいなかったみたい。

あ、でもこの日わたしは画面の中に「胸キュンやられ層」仲間を見つけたわ。高橋一生。あの人仲間だわ。高橋一生のあの(言葉も出ない)って感じの顔。アレなんだよな、と思う。曲終わった時の顔とか、もう、よくわかる。

映画「億男」。映画館で曲が全開で聴けるという理由で、この映画を観に行ったんだけれど。平日レディースデーの昼間。おばちゃんいっぱいいて、連れ立ってきていた人達は終わった後に「曲を聴きに来た」って言ってた人、あちこちにいた。
ライブは若い子も多いけど、おじちゃんもおばちゃんもいる。「胸キュンやられ層」には年齢は関係ないみたいだ。いるところにはいる、いっぱいいる「胸キュンやられ層」。わたしの周囲のおばちゃんお友達にはいないのが残念だ。仕方がない。

8枚目のアルバムから随分時間が経っていて、新曲もたくさんリリースされてる。ちょっと前からわたしは意識して「BUMP断ち」をしていて。とにかく次のアルバムに心底没頭したいのがその理由。
いや、「話がしたいよ」のシングルCDは買っちゃったけどね。アレはヤバいよ。


BUMP OF CHICKEN「話がしたいよ」