リツエアクベバ

satomies’s diary

骨折

10月24日、娘が骨折しました。足の指を三本です。レントゲンには右足の第二指第三指第四指の第二関節のところに横に線が入っていました。
整形外科受診。レントゲン。「折れてますね」に続けて「全治六週間ってとこですかね」。そして「松葉杖になりますが、使えますか?」と医師が聞いた。即答で「使えません」と答えたので、現在外出時に車椅子を使用しています。家の中では座位移動か、キャスター付きの椅子を使っています。いや、松葉杖、無理だろうなと思った。説明して使い方をすぐ飲み込めるとも思えなかったし、転ばれたらどうしようかとも思ったし。これ以上何か起きることに気持ちがもたない、という心境でもあった。
家の中での移動については、最初は学習机の椅子が使えないか考えた。でもアレ、座ると自動的にストッパーかかるんですよね。で、ダイニング用の椅子でキャスター付きの回転するタイプが元々欲しいと思っていたので、これを機に買っちまおうかと思った。そう思ってニトリへ行ったのですが。展示品はあるが在庫は無いと。取り寄せに一週間以上かかると。そうか…と思いながら「実は知的な障害がある娘が足にケガをして」「キャスター付きの椅子があると家の中での介助に便利だなあと思ったんだけれど」「時間がかかるならまた別の方法を考えた方がいいのかなあ」。そう、なんとなく吐き出すように相談とも言えないようなことをぶつぶつとこぼしたならば。にっこりと微笑んだニトリの店員さんが「それならコレ」とすすめてくれたのがコレ。

ワークチェア(ターゲット3 GY)/ニトリ

店員さんグッジョブ!。非常に快適です。高さも調節できるし、しかもすわり心地もいい。シンプルでダイニングに置いても(うちの場合は)そうそう違和感が無かった。これを使うのはトイレまでの移動、トイレの座椅子に移動する時に便利。食卓での使用。風呂場への移動など。
他に購入したものに、シャワー介助用の椅子があります。思いついて即注文、日曜の夜中にamazonポチって火曜日には届いて使えました。amazonステキ。高さ調節もでき、これもグッドな製品だった。

山善(YAMAZEN) コンフォートシャワーチェア

原因ですが。「支援を受けている時間帯における、人為的ミス」です。このあたりのことについてはいろいろもう終わった。その状況にいた人たちのことを思うと心が痛いし、話し合うべきことももう終わった。関係各所への提出書類も確認させてもらった。非常によくしてくれていて、ありがたいと思うこともたくさんある。
ただ。これはケガでいずれ治るものなのですが。痛々しい足を見てると(なんでこんなことになっちゃったんだろう)的凹みがけっこうあった。理性的には事実として受止めて日常を送っているつもりなのだけれどこころの中で時々なんかこう、流れる。
総じて思うのだけれど。自力で歩けない、生活は全介助だ。この事態が突然やってきた。そして思うことの数々。これ、昔やってきたことに似てる。つまり。これは障害受容こころの歩みのコースを今また、ショートカットでたどってるんだな、と気がついた。
最初、(ああ来週のハロウィンの行事には出られなくなった)(楽しみにしていた翌週のイベントもダメだ)(そういえば作業所の誕生会をずいぶん前から楽しみにしていたんだった、それも出られない)。そうやってたくさんのことにがっかりして悲しんだ。そして気がついた。これは「障害告知後に起こってくる心の動き」、ほらアレだよアレという感じ。それは「その障害故にわざわざ今後できないだろうことを次々に思いついてしまい、それを列挙して眺めてこれから起きてくる具体的障害を悲観し、嘆く」コースだ。障害というものを受入れていくときの前菜のようなものかもしれない。
て、いうことは。痛々しい足を見て(なんでこんなことになっちゃったんだろう)的凹み。これはアレかアレなんじゃないか、と推測する。先天性より受容がやっかいだと言われることのある「後天性ならではの痛み」なんだなと思った。(なんでこんなことになっちゃったんだろう)の「なんで」がどのような状況でどうとかって、そういうことじゃない。(なんでこんなことになっちゃったんだろう)的凹みってのは、「その時の『前』にはもう戻れない」という心境の痛みといえばいいのかもしれない。
さて、骨の状態ですが。さすがに若い。骨折17日後のレントゲンでは、第四指の骨は完全にくっついていて第三指ももう心配無かろう、第二指の骨の折れたところはまだくっついていないということだった。
医師は「骨は」と何度も言う。「普通は」「骨は」。要するにこの医師の経験上、骨の折れたダウン症者をよく知らないということと、娘の元々の初見が無く、「骨」ではなく「足」がどういうふうに回復していくのかよくわからんということだった。ケガ以前には問題なく歩けてるっつーってんのに、「歩けてたんですか?」と聞いてくる。普通の歩き方をしていた人間が階段で転んでここまで折れるか、ってことなんだろうとも思う。娘は利き足がはっきりしていて、階段ではかなり利き足に頼る。重心支えきれなくなった時に、過度に右足を働かせたのではないかと母は思うが真相はよくわからない。
歩けていたし、しっかり歩かせるし、しっかり歩ける足に戻すことが目標。その線でギプスシーネをはずすスケジュールを決めることになった。固定を続けてしっかり治し、リハに入る。固定が外れるのは11月末の予定。作業所での日中活動については、車椅子使用で行き帰りの送迎付きで復帰させていく。11月第二周目にまず一日復帰。第三週から水曜に中休みとって週四で復帰。で様子を見ることになった。ちなみに週四は母の希望。日中活動を取り戻してくれるのはありがたいし望んでいかなければならないのだけれど、手元から離すと正直気持ちの不安がすごい。本人もかなりがんばっているような緊張感があるようなので、中休みが母子共にちょうどよかろと判断した。
娘は、事故後の数日はなんだかヤバ目でもろ病人モードに入っていたけれど。さてそろそろ自分生きていきますかね、という感じにチェンジしていった。不自由な動きで今の状態で何をどうやるかにチャレンジする。車椅子に関しては、作業所の「先輩」に車椅子利用者さんがいてその先輩と割と仲がよく。というか娘が入った時から先輩としてなにくれと声をかけてくれていた人で。その人の動きを娘は本当によく見ていたんだなと今回わかった。教えもしてないのにブレーキの位置やら自走で動かす部分やらをよく知っていて、移動介助に声掛けだけでスムーズにいく部分が多く、これには畏れ入った。視界に入っていることを、情報として覚えているもんだな、と思った。
それならば、と思い出した映画があった。そういえば、と、記憶の中で車椅子の動きやら着替えの様子やら思い出す。思い出すだけではなく、再度観た、DVDで。情報として参考になったけれど、映画自体がやっぱりおもしろかった。
その映画の紹介なんですけどね。予告編があるかとYouTube探したら。ヤバいです、本編全部観られる状態でアップされてました。めっちゃオススメです。

さて。ひっさびさに更新している理由ですが。娘の骨折でどう痛いのかどう不便なのか、わたしにはわからないところがある。このあたりの情報収集のためにいろいろネットの海を泳いでいました。すぐ知恵袋が出てくるのけれど、いまひとつこう自分の欲しい情報には行き当たらなかった。そんなところで行き当たったのがこちら。

ヒビコツ日記 〜骨折治療中〜

「足の指 骨折」で検索かけるととにかく出てくるのが小指親指。そーじゃなくてー、と思ってるとこで、中2本というところでの「ナマの声」は非常に興味深かったです。こうした個人のお話を出しておいてくださってありがとうございました、と言いたい。言いたいための自己紹介のような更新です。