リツエアクベバ

satomies’s diary

「ジョゼと虎と魚たち」その1

ジョゼと虎と魚たち」という映画について、ちょこちょこ書こうと思っているんだけれども。いや、そんなたいしたことではなくて、ただこの映画は「恋が始まって終わること」という映画だなあと思っているわけで。そしてそのことについて「この映画はみんなが大人になる話なんだなと、撮ってる途中で気がついた」と監督さんが言っている。まあそういう恋愛映画なんだと思うわけです。
BUMP OF CHICKENの曲で「スノースマイル」というのがあって。「冬が寒くって 本当に良かった 君の冷えた左手を 僕の右ポケットに お招きする為の この上ない程の 理由になるから」という胸キュン歌詞で始まるんだけれども。こんな胸キュンで始まり、なんだか楽しそうな風景が歌われていくんだけれど。なんか唐突に別れているような結末になっていて、そのあたりがよくわからなかった。
これ、作者のインタビューによると、要は「スノースマイル」ってことなんだそうだ。雪はいつか溶けるいつか消える。それは悲しいのだけれど、雪だるまを作ってる時はそれを含めて楽しい。恋は始まるけれど終わる。それを知っていて進んだ道と、そして手にしたものと、みたいなことなんだそうだ。それで「スノースマイル」。


そして、これ。ピチカート・ファイヴの「悲しい歌」。「本当に悲しいことだけど 二人の恋は終わった」。


この二曲をあげたのは。「ジョゼと虎と魚たち」に出てくるジョゼ(くみ子)と恒夫の恋物語において、「スノースマイル」を知っていて進んだのはジョゼで、「ごめんね ぼくはきみのこと あんなに愛してたのに」と「悲しい歌」を歌うのが恒夫なんだと思うことです。「ジョゼと虎と魚たち」で二人が別れた後、恒夫は別の女性に「おうどん食べようか」などと言われながら耳に入らず泣き崩れ、ジョゼは凛とした感じで自分が食べるためのサワラを焼いています。