リツエアクベバ

satomies’s diary

部活の試合

息子、高校でもバドミントン。この高校は、入学当初の春の大会では県大会出場。しかしその後、高三引退に加えて高2も辞めてしまいついに「高2部長プラス1年生3名」で男子部員4名。団体戦には出られなくなった。
「ブチョー」と「おちゃらけハニー」と「チャラいれろれろ」とそしてウチの息子の4名は、それぞれの個性がはっきりしていてチームワークは良いと思う。「ブチョー」と「チャラいれろれろ」は中学時代にも活躍していたそうで、それがよくわかる実力の持ち主。2人とも中学では部長だったとの話。
「ブチョー」は優しくていい感じの男の子。保育士志望だそうで、もしも本当に保育士になったら「任せて安心」というムードをもらえそうな男の子だと思う。オバチャン相手にもよく話してくれる。優しくていい感じでそして試合では強いから、かっこいい。「ハニー」は高校からラケットを握ることになった初心者スタートの子。人からかわいがられるポイントをしっかとつかめるタイプの子で、女子部員たちから大きく応援されてるポジションにいる。「チャラいれろれろ」は“れろれろ”の子。ちょっと前は髪の毛、赤かったよ、茶色じゃなくて。うわ、赤いよ、ってくらい赤いんだけどよく似合ってた。暮れにすげーヘアスタイルにしたら顧問の先生に「その頭では試合に出さない」って言われて、あわててカットし直しに行ったらしい。ぱっと見(チャラい)って感じの子なんだけど、「やるときゃやるぜ」ってのがはっきりしててかっこいい。
さて本日は横浜市大会のシングルス個人戦団体戦に出られない人数なので今日がメインの試合。「一軍レギュラーは学校対抗に出して、そこからもれたメンツ。もしくは団体戦に出ない高校の部員」が参戦の試合。ということで、強豪校の強豪は出ない試合だから「ブチョー」と「れろれろ」には「参戦ブロックの決勝まで行け」というのが顧問の指示。試合は4ブロックに分かれていて、4名がそれぞれのブロックで参戦。
朝、「ブチョー」に会った時に「今日はラストまでだよね?」と言うと「もちろんです」って答えてた。ウチの坊やは「二つは勝ちなさい」と言うところ。「ハニー」は試合でまだ勝ち経験が無い。なんとか勝ちを見たいというところではあった。
「ハニー」、初戦で勝てなかった。ストレート負けで二セット目は5点しか取れなくて試合直後は痛々しかった。この子が勝ちを経験した時に、みんなすごっく喜んでくれると思う。その日までその喜びはお預け。またがんばろうね。
うちの息子は、予測通り二つ勝った。でも三つ目は勝てなかった。この子は三戦目勝利の経験が無い。よくがんばってはいるんだけれど、負けたくない執念の薄さ負けという感も無くはない。帰宅後に「よくがんばってはいたけど、勝てない相手では無かったね」と言うと、顧問にもそう言われたとの話。まあ今後の課題でしょう、でもしかしそれでも、強くなったよとも思う。
「れろれろ」はかっこよかった。ホント、かっこよかった。マジ、かっこよかった。準決勝敗退にはなったけれど、不利になっても不利になっても不利になっても、変わらずに変わらずに変わらずに、絶対拾うと突っ込んでいく。ホントにかっこよかった。試合の結果じゃなく、「勝ちは取れなくても『負けない』子」だと思う。
「れろれろ」敗退後、不思議な光景があった。この試合の後にこの試合に勝った相手校の子が「れろれろ」んとこに来て頭を下げてこう言った「アドバイス、お願いします」。その会話はたまたまわたしのすぐ側で始まった。周囲には息子達はいなかった。(え?)と思ってついつい耳ダンボ。「なんとかでなんとかでこう。二セット目をオレが取れたのはミスで自滅してくれたから。あのミスの連続が無かったらもっとラクに勝てたはずだのなんだの。試合中のどのプレーがどうでなにがどうで課題がどうの」。「れろれろ」が話す、相手が直立不動でそれを聞き入る。「ありがとうございました」と頭を下げてた、相手校の子が。どういう関係なのかな、学年は一緒のはずだから同じ中学だったのかな、「れろれろ」は部長だったからかな、とか思った。でも、2人ともかっこよかった。試合の勝敗に関わらずに人間関係が成立してて、勝ちでそれが動かない相手もかっこよかったし、卑屈にもならずに偉ぶりもしない「れろれろ」もかっこよかった。
「ブチョー」は決勝進出。準決勝に勝った時に「有言実行です」ってニコって笑って言った。「最後は楽しんで来ます」って。そして、ブロック優勝。いやー、この決勝もすごかったわ。終わってみればストレート勝ちではあるけれど、二セット目はジュースに次ぐジュース。じわじわとジュースジュースで苦しめた相手校の子も、負けはしたけどアッパレ。いい試合だった。
二セット目に「ブチョー」が連続してミスを出したシーンがあった。OBがミスのストップを促すような声援を何度も送ってたけどミスの連続はなかなか止まらなかった。どんどん不利になっていくシーンを見ながら、(なんていい子なんだろう、この子は)と思ってた。「ブチョー」のミスの連続が始まったのは、相手の子の足がつってから、なんだよね。足の指先のあたりがつったみたいで、痛そうにしてたシーンがあった。まあある意味チャンスだよね、そしたらミスが止まらなくなったんだ「ブチョー」。相手がポイント取ってサーブを出すのに、足をかばうような数秒がある。その時にそれを見ないようにしながら、なんとも言えない顔をするんだ「ブチョー」。そしてミスをする。こういう動揺は、なんかこう、じんとする。いい子だなあと思う。勝てて良かった。