リツエアクベバ

satomies’s diary

中古ソフトとお友達

息子が古いゲームソフトをあちこちで探し回ってた。休日に学校の帰りに、自分が回れるだけの中古ソフト屋を回ったけれど見つからなかった。ヤフーのオークションには出品されていたのを見つけて、落として欲しいと言ってきた。入札履歴を丁寧に見て、「これはこのIDの人は○○円まで出すつもりだよ。だからそれ以上の額を出さなきゃ落札は出来ないと思うよ」。息子はうーんと考えて、「それでも欲しい」と言ってきた。息子の貯めた小遣いから捻出で、それを自分で決めるのなら、では入札してみようかということになった。終了日時の3時間ほど前に入札を入れる。
わたしが入札する前に「最高入札者」だった人は、こちらが提示した額をあっさり超えて入札した。こちらの予測よりも相手が用意している額は高そうだった。「入札価格に送料も発生する、どうする?」と。「オークションはつい勝つことに夢中になって、自分で購入額を高くしてしまうことがよくある」と言うと、うーんと考えて、「今回は見送る」ということになった。
「気の毒だねえ、この最高入札者の人は。アンタが入らなければ値段は上がらなかったにねえ」と言っていたら、終了日時寸前にもっと出す人が現れて、値段をつり上げて落としていった。「欲しい人は欲しいんだねえ」。
息子がソフトを探し回っている時に、ブックオフに行くというので一緒に行った。オンラインでは在庫は無かったけれど、もしかしてということもあるかもしれないという淡い期待。偶然書籍のバーゲンをやっていたのでカゴに何冊か放り込む。結局レジに並んで商品を出したのはわたしだけだった。やはり…という感じで息子の探していた中古ソフトは見つからなかった。
ブックオフに行った夜に、息子の友達からメールが来た。たった今、中古屋でそのゲームソフトを見つけたという話。値段もそこそこで、これは買いだという価格だった。明日そこの店に行けるか、部活帰りではかなり遅くなるがどうしようとか、そんなことを言っていたら「買った」とメール。「自分が買う、それを貸す」との話になった。それではと、息子はそのソフトの専用コントローラーを買うことにした。こちらはアマゾンで簡単に注文が出来た。
高校に入学して最初に仲良くなった友達に、ゲーセンに誘われたのは入学式の10日後くらいだった。そこでその友人のプレイに息子は驚いて、自分も夢中になっていく。それは小学生の時に息子が夢中になっていたゲームだった。そのゲームの時代がすでに変わっていて、さらにレベルがアップしていたこと、そのアップしていたレベルに友人の「今」があったこと。息子はすっかり夢中になっていく。ふふんと様子を眺めていたわたしは、これは絶対に存在するだろうとiPhoneのアプリを探す。あったあった、フリー版などに目もくれずにとっとと正規版を購入。「これをその子に見せてごらん」とそそのかす。
このソフト、その友人はアーケード版の経験しか無かったそうで、家庭用でこのゲームに入った息子が中古ソフトを探し回ってるのを見て、自分も金を出すと言い始める。で、結局その友人が購入ということになり、息子が専用コントローラーを購入。旧版のコントローラーはあるにはあったが、その後のソフトで使うには反応が悪いことは簡単に予測できた。そして待望のソフトはその友人が購入後すぐにうちにやってきた。

そう、この「ソフト」とはダンレボ。アマゾンでは新品はもちろん中古版でも元々の価格を超えるものが大半。今回の購入価格は元々の価格以下だった。
そして「その友人」は陸上部。足の動きの早さは息子ビックリものだったとか。自分、小学生時に旧版であっという間に上達していった自信はがらがらと崩れ、そして再度ハマっているという状態。
先方の家はプレステ2があるにはあるが、壊れているとのこと。やるときはウチでやるという約束なんだそうだ。専用コントローラーを息子が購入したとはいえ、ソフト代は向こう持ち。しかもこの二人は部活の予定が全く違う。いったいいつ来られるのかわからない中で、それはあんまりではないかと思って先方のお母様に電話を入れる。
外出時に突然中古ソフト屋に入っていくから何事かと思った。買ってやっても良かったのだけれど、自分で買うと言ったので買わせた。二人で決めてやっていることなので、心配無用とのこと。
いや、なんかあんまり不公平な感があるので、プレステ2と専用コントローラーをこちらが車でお届けしたいと提案する。ソフトを買ってもらって貸してもらってるのだから、こちらはハードごと貸そうと思うのだけれどどうでしょう?と。
「ええ、でも、ウチ、二階なの」。ここでぐわっとくる。いや〜、昔のものならまだしも、「X」はマンションではけっこうヤバいと思う。かなりどたばたどたばたと激しい。ふーーー。「では、ウチで実際にプレイしてもらって、自宅に持ち帰れるかどうか判断してもらう。その上で持ち帰れると判断したなら、いつでもハードごと運びますから」ってなことになる。
「二人の部活の予定はなかなか合わない。もういつでも、ウチにウチの息子がいないときでも来てもらって全然かまわない」と先方のお母様に伝える。
「でも…、あの…、上のお子さんは…」と言われてはっとする。そういやさらっと「上の子には知的障害がある」って言ったんだった。こっちはさらっとだけど、相手はさらっとということにならないいろんな気遣いがあったのかもしれないと思う。「いえ、全然平気」とは言ったものの、どこからどこまでどう説明していいものかちょっと迷う。
息子に「ねえ」と。「アンタ、ウチに来い、ウチでプレイしようって時に、ちぃちゃんがどうだとか考えてた?」。「え?そんなこと全然考えてなかった」。まあそんなもんでいいんだろうとも思う。
息子はとにかく家で跳ねる、跳ねる。汗だくになって跳ねる。ソフトの持ち主がプレイしたい曲ってのはけっこうレベルが上になってるので、「そこにいくまでレベル上げといてくれ」と言われたそうで、まあとにかく跳ねる跳ねる。リズミカルな曲で弟が跳ねるのを見て、「姉」は拍手する。部活では先輩に「バドミントンのプレイ中の足の運びが鋭敏になった」的なことを言われたとうれしそう。
男の子二人の中の不公平感は非常に気になるが、今さらソフト代を彼に渡すとそれはそれで違うという感じになってしまっているムードで、とにかく先方のお母様とご子息は「いい人」としか思えない。夏休みになったら長時間プレイを確保して、夕食でもなんでも車での送迎でもなんでもとか思う。