娘が社会人、息子が高校生に。NPO法人が運営する障害者通所の支援施設に通って日々作業的労働をするのが「社会人」という言葉に属していくのかどうか本当のところはわからんが、特別支援学校では「明日から社会人」と教えていたのでまあ「社会人」。
「社会人」の意味-国語辞典-goo辞書
しゃかい-じん ―くわい― 【社会人】
(1)学校や家庭などの保護から自立して、実社会で生活する人。
「卒業して―となる」
(2)社会を構成している一人の人間。
娘の新しい生活
特別支援学校は、通学のことを考えて立地で選んだ。卒業後の通所先は娘が希望した「作業内容」で選んだ。立地としてだけ考えれば、あまり選びたくは無かったところ。ここはウチから「近いけど遠い」、つまりバス物件。小学校時代の途中からと中高の6年間とずっと自力通学をしていたことから、自力通所の道を探っていたけれど、困難は多々。路線バスに乗る経験は年に数回程度だったのでバスの経験が少なすぎて、娘にとってはけっこう難しい乗り物。
- 誰かがまたは自分が「降ります」ボタンを押さなければ降りられない。
- 停留所に違う行き先のバスが来るので「選んで」乗らなければならない。
- 時間通りに来ない。
- 混んでいて立って乗る場合「電車より揺れる」。背が低い場合つり革が使用できない可能性も高く、通常の身長の大人よりもバランスを取るのが難しい。
そして、この通所先に行くための路線バスは「メチャ混み路線」だった。もろバス物件地域で利用者が多い。一緒に乗って「娘一人で乗せられる状態のバスではない」と判断。往路は送迎サービスを依頼、帰路は「下りの終点に出て、そこから電車に乗って最寄り駅へ」というルートを選択。
この「下りの終点に出て、そこから電車に乗って最寄り駅へ」というルート、大正解。「混まない、座っていける、ボタンを押さなくても終点なので必ず降りられる、しかも余裕を持って降りられる」。
このルート、なにしろ娘本人が喜んだ。この下りルートで到着する駅は、通学時代の経由駅。自信を持って日々通ったルートを再度利用できると娘が気づいた時に、目を輝かせた。写真に撮って残しておきたいくらいのピカピカの輝き方だった。解決に一安心。
息子の新しい生活
部活に入部。中学時代と同じバドミントン。小一時間かかる通学時間の為、朝練参加日にはかなり早く家を出、また帰宅時間もけっこう遅くなった。クソ真面目な子なので、田舎地区から都会に出るルートでの通学だから、少しは街への寄り道くらい覚えろよとか思っていたけれど、この生活ではやっぱりまだまだクソ真面目は続くのか。
同じ地域の高校に子どもが進んだ友人に、「どう?」と聞く。聞くのは「田舎地区クソ真面目中学からそっちの地域の高校に進んだ場合、『驚くよ』ってのがあったけど、そっちはどう?」というところ。
返ってきたのは、「やっぱりね」というところ。共通ワードが「女生徒の色とりどりのカーディガン」。神奈川の公立高校は偏差値関わらず茶髪の子が多いというのは聞いていたが、カーディガンの色までは知らなかったよなあというところ。よく言う「偏差値どうの」というのは関係ない。地元中学から一番近い高校はもっと偏差値低いけれど、ピンクのカーディガンなんてのは見たこと無かった。また、この友人の子が進んだ高校は、息子の進学先よりももっともっと偏差値が高い。
息子の弁によれば、格好うんぬんで人にレッテル貼る気は無いし、個人は個人の自由だとは思うが「なんか圧倒される」とのこと。男子生徒は特にどうのという外見の違いは無く、そのあたりは楽だとの話。また、運動部系の部活の参加組の女生徒には「そこまで派手な人はいない」ので、これまた気楽は気楽なんだそうだ。
本人気になっているのは、自分の成績。以前決まっていた神奈川の学区でいえば、学区外の高校に進んだわけで。こっちの学区の中学名を知っている人間はほとんどいないだろうという状況にも関わらず、やっぱり知ってた子がいたよという話。「学力高いんだって?」「定期テストが難しいんだって?」「内申、厳しいんだって?」。
まあなあ、大手塾の3月の広告の有名校合格者の欄に多数の友人の名前と写真がずらずらと並ぶ環境の中学だからなあ、ってとこはあるけれど、実際のとこ、そこから出たこと無いからよくわからない。外側からのその話を聞いて、息子本人が気になってるのは「ウチの中学で『このくらい』だった自分は、他の中学からの子と一緒になった場合、集団の中での自分の成績の位置が変わるのか?」ってこと。あんまり期待しすぎるなよ、と。受験の時に内申に大きく差が出てるのは多分五教科以外の実技教科が中心だろうと。
いやしかし、「ウチの中学の『3』は、他の中学の『4』。特に実技教科」ってウワサが本当のとこどうなのか、わたし自身も興味はある。部活で個人種目で全国大会に出た、しかも学科の成績も「あったまいいぞ〜」ってな子の体育が「4」だったってのは他校じゃあり得ないとか、そういう話は山ほどあった。「ウチの中学の『3』は、他の中学の『4』。特に実技教科」ってのが本当に本当ならば、これだけで内申に12は差が出るわけだから、実際どうなんだろうねと、やっぱり関心はむくむくってのはある。子ども達の言い分では音楽が特に厳しかったようで、高校の芸術選択で「もう音楽だけはイヤだ」と選択しなかったという話を聞くと、それもどうもなあとは思う。
今月末には三者面談がある。予定表を見ると、一人30分が予定されてる。卒業後の進路希望について聞かれるとの話もあり、「ああ、ウチはアレ持っていけばいいよ、アレ」と。「話すよりアレ読んでもらった方が早い」。ここでの「アレ」とは、前期選抜の時の対策資料。本人の進路希望について話せるように、本人にインタビューをした内容を全てまとめてある。前期選抜は惨敗したけど、役に立ちそうで良かった。