リツエアクベバ

satomies’s diary

高校生活スタート

火曜日に息子の入学式。駅までの道で近所の子二人とそのかーちゃんに出会い、一緒に行く。三人とも別の学校、三種の新しい制服。一人はバスで行くと駅で別れ、二人で電車に乗っていき、途中で手を振って別れる。神奈川の公立高校の学区が撤廃になってから、うちの中学は生徒たちの進路がかなりばらばらになったとのこと。自転車や徒歩、バスや私鉄JRと、学区内で多種の交通機関が選択できることが影響しているらしい。それがよくわかるような駅までの道。
桜の木が並ぶ坂を上って学校へ。校門のところで「入学式」という立て看板と桜をバックに記念撮影をしている人がたくさん。「ねえ、写真撮ろうよ」というと「イヤだ」と答える息子。あんなことをやるのはみんな女子だ、と。いやいやほら、男の子も撮ってるよ、とか、嫌がるのがおもしろくてさらに要求。「百円あげるから」とか、わけわからん大騒ぎしきり。
自意識過剰な15歳に元々そんなことを強要する気もあまり無し。校門と立て看板のみをカメラにおさめてから、「ちょっとあっち行って、あそこに立ってくれないか?」と桜の木の下を指す。「一番きれいな状態の時に制服の写真を撮っておきたいから」と。今度は素直に立つ。制服できてきて家で着てみたときに、かーちゃんぼろぼろ泣いちゃったってのがあったから、「制服」といや拒否はできなかったみたいだ。だってこの制服着られる日が来るかどうかってのが、あの受験の日々だったんだから。
入学式の式場で、保護者席から次々に着席していく生徒の姿を眺める。女子のスカート丈がいろいろなのがおもしろい。規定通りにクソ真面目なダサい長さできっちり作った子もいれば、短くした子もいる。ここまで短くしたかって子もいる。値段が同じで生地代が全然違っただろと思うとちょっとおかしい。
一人一人名前を呼ばれて生徒たちが返事をしていき、校長が「入学を許可します」と言う。入学式にこんなコンテンツがあったんだっけか。自分のときのことをさっぱり思い出せない。
「校歌斉唱」ではなく、「校歌紹介」だった。校歌が流れて全員でそれを聞く。いい歌詞だなあと思う。
式が終わって、生徒たちと保護者が分かれ、生徒たちは明日からの説明へ。保護者はPTAの委員決めに入る。よく知らん学校のことが委員をやればよくわかると説明される。経験上それは非常によくわかってる、どうしようかなというところ。ただ、ずっと数年間続いてきた「活動に責任をもつ立場」からもう解放されてもいいよなという感もある。たいがいやれば長だの副だのってのが回ってきた。それを避けるためには「最初からやらない」って選択肢を選んでおいた方がいいとこは大きい。
聞いていた話通り、小学校より中学校よりも輪をかけてさっぱり決まらない。一人一人「どうですか?」と名指しでの質問もあり、また委員長副委員長はすでに決まっているとの話もあり、委員の一つを引き受ける。ヒラなら楽なもんだとそんなことを思ってたのも束の間、活動に土曜が入ると聞いて大慌て。簡単に家庭の事情を言って前年度に土曜の活動が無かった委員会に変更してもらう。普通の子の学校のPTA活動ってのは普通の子の親の動ける時間帯に当然合わせてくる。障害のある子のいる家庭にとっては、それは難しい時間帯であることは多い。特別支援学校では当たり前の活動時間帯というのは、それは特別支援学校ならではだよなと改めて思う。小中では近いからなんとかなることも多いけれど、移動時間というものが存在する位置の学校で、主となる活動が土曜なんて言われればもうお手上げだと思う。
帰路、息子と合流。「委員受けたよ」と言うと、そんなこたわかっていたよという顔。「長副は決まってるんだって」と言うと、それはよかったとそんな感じ。
「そんなことよりさ」と、説明されたことを次々と話していく。そうか、そうか。行きたい学校に行けてよかったよねと改めて思う。「部活だの塾だの同じ中学だのってことかよくわからないけど、教室でちょこちょこ話したりしてる人たちがいて。誰も知らない自分はなんか気まずかった」と言う。「あら、それはわたしも同じだったよお」と答える。「ちょこ、ちょこっと話してる人がいて、一人になってる人間がぽつんぽつんと前向いてって感じでしょ?」「そうそう」。しかも席の位置がそういうことになりやすい場所だったと。ああ、そうそう、わたしが座った席も同じ位置だった。聞いてみると、息子が一階でわたしは三階で、座っていた場所が全く同じ位置だったということで、二人で笑ってしまった。「ヒトミちゃんのおかあさんに会ったんだよ。それで廊下で話してて、話し合いの教室に入るのが遅れてしまった。最後に入ったときに空いてる席がそこだけだったんだよ」と言うと、「そんな席かよ」とぼやく。それを見ながらあははと笑う。
昼飯食いに行って、それからじいちゃんばあちゃんたちにいただいたお祝いをもって彼専用のノートPCを買いに行く。ノートってずいぶん安くなったのね。
付いてきたマニュアルを参照させて、もろもろの設定を自分でやらせる。自分のPCとして使いやすくなるような情報参照のためのURLを次々に息子のメールに送り込む。ピカピカの新車で息子は走り出す。
二日目の登校、帰宅時には「できた、できた」と喜んでた。へ?何が? 友達だそうだ。休み時間とか気まずい状態から脱出ってのがすごくうれしかったみたいだ。まああせらなくても生活は始まるぜ。
年間の行事予定表を見せてもらう。目で追いながら「うわあ」と声が出る。なになに?どうした?と聞く息子に「こんなところにもう学校説明会がある〜〜」。学校生活に慣れたかなって思ってるような頃にもう、次年度の生徒のための中学生が参加する学校説明会がある。「ああ、6月の後半の最初のヤツでしょ? それ行ったじゃん」と息子が答える。そうだよ、これに行ったんだよ。それであの、第一志望に一本気な生活が始まったんだ。その懐かしい第一回がもうあるんだな、と思った。ここからいっぱいいろんな日々があったけれど、早いもんだね。