リツエアクベバ

satomies’s diary

入所式

さんざん悩んで決めた娘の進路が決まり、今日が入所式だった。
学校は卒業した。春休みになった。「4月になったら○○に行きます」と娘に伝えていた。
3月の最後の週のある日、「コレ」と言いながら娘がカレンダーを指した。カレンダーを見せながら、「2月は学校に行きます。3月は学校を卒業します。4月になったら○○に行きます」と教えていたのだけれど。その、教えるときに見せていたカレンダーではなく、娘の学校の作業班が作成した”娘に取っての母校のカレンダー”を指して「コレ」と言った。
え?と思ったけれど。なに?と思ったけれど。娘が何を思ってカレンダーを指して「コレ」と言ったのかすぐにぴんと来た。
今のページを見せながらわたしは話し始める。「3月で学校を卒業しました」。カレンダーをめくって「4月です、○○に行きます」。4月1日のところを指しながら「次の木曜日に○○に行きます」。娘はうなづきながら、それを聞きたかったのだという顔をする。よかった、やっぱりそれが聞きたかったんだ、と思った。
教えていたときに使っていたカレンダーを指したのではなく、”アタシのカレンダー”を指して言ったことにちょっと感慨でもあった。この子はカレンダーをきちんと理解しているのだなと思った。そしてこの子は自分の明日というものを、カレンダーを使って理解できるところに到達していたのだなと思った。
そして今週、「木曜日に○○に行きます」と、機会を見て何度か伝える。そして昨日、「明日は木曜日です、明日はどこへ行きますか?」という問いに、元気良く「○○に行きます」と答えていた。
そして今朝。出かける間際にバタバタすんなよの用意が悪い自分。ばたばたばたばた。その時、つけっぱなしだったテレビが語り始めた。「おはようございます」という挨拶から始まったそのCMに思わず見入る。
「おはようございます。新社会人のみなさん、おめでとうございます」。
思わず自分の口をついて出てくる、「ありがとうございます」。
「新たなスタート、心からお祝いいたします」と続き、ああ、新たなスタートなんだな、と思う。
そこから、新社会人に向けてのメッセージが始まる。テレビと真正面から向かい合って、心にしみいるようにその話を聞く。そして…。
「応援しています」と続き、最後のシメの挨拶で、「では」と言い、「いってらっしゃい」と微笑んで手で上げた。
はいっ、と思った。「いってきます」と口をついて出た。そしてわたしは娘を連れて家を出た。
入所式のセレモニーは暖かく和やかだった。安心して託せる場所だと思った。利用者さんたちは日中の活動に入り、わたしは帰宅。そして帰宅後すぐに検索をかける。あのCMをもう一度見たい。

ヤバい。この「いってらっしゃい」にやっぱ泣ける。これから何年も月日は過ぎていくだろうと思うけれど、わたしは今日のこの「いってらっしゃい」で送り出されたこと、そのことをずっとずっと忘れないだろうと思う。ありがとう、アサヒ飲料