リツエアクベバ

satomies’s diary

塾を卒業

息子が三年間通った塾は、新聞の折り込みで見つけたところ。「勉強が苦手な子に対してのフォローを丁寧に」というフレーズにビビビ。隣の中学の子が中心の個人塾。
ウチの中学はお勉強がどうのとなんだかそういう中学で、中学からすぐ近くの大手塾の教室の広告では、実に華々しい合格実績が広告にどかん。そこに行き着く道のためにレベル別に成績が常に貼り出されて、自覚を目覚めさせてどうのというところ。お勉強が苦手な状態で中学に進学する息子にとっては、その手合いのところはとてもじゃないけどキツいところになるところは目に見えてた。
中一からとか早くからとか、そんなことまでは考えてなかったんだけれど。この子の状態では、どうせ中学に入ってから苦労するだろうから、そんなことをそうそう考えなくてもいいよー小学生時代はとにかく遊んでおけよと思ってた。ただ、ひたすら送られてくるベネッセの教材に本人が興味を示したんで、ちょっと取ってみるか程度で始めてみた。そうしたら、すぐに投げるのが普通だろ?感覚の通信教材をずっと真面目にやってたので、「どうせやるなら教師がいた方がよかろ」と塾を考えることにした。そうしたときにふと目に入ったのが「勉強が苦手な子に対してのフォローを丁寧に」というフレーズだった。
その塾では、通常の授業の時間の前に「配慮が必要な成績の子」に対しての補習があった。通常の授業の他に、特進クラスの授業があった。ひとつの学年の間、払うお金は同じ。できない子は補習分オトク。できる子は特進授業分オトク。一番割高になるのが「普通の子」という塾だった。息子はずっとオトクコースだった。補習でずっとオトク。そのうち補習クラスから出されて一番割高「普通の子」にはなったけれど、その後「数学だけ特進においで」と「ちょびっとだけオトクコース」を歩むことになった。
特進クラスの授業の日に、みんなが3時間の授業のところで数学だけ受けて一人だけ帰る。それでもこの「数学だけ特進クラス」ってのは、息子にとってどんなにその後の自信になっていったことか。「特進クラスの子だけ、数検受験の準備に入る」というこの塾のやり方の中で、「ボクは数検を受験する」という意識がどれだけ本人を成長させたかというところもかなりあったと思う。

後期入試当日

公立高校の後期入試が終わってから、その日に塾に生徒を集合させるところは多い。塾で正答を用意して、その日のうちに自己採点させる。塾に通っていた子が次年度のその塾のデータになる。息子が通った塾ではその指導は無かった。慌てなくても翌日の朝刊には問題と正答が出てくる。自己採点したらその点数を連絡してくれればいいよとのことだった。おかげで息子は、入試の後には部活に行って、友達と話し、体を動かして帰ってきた。「久々に思いっきり体を動かして、すごく楽しかった」とにこやかに帰ってきた。

塾にご挨拶

入試当日、夕刻にはネット上に公開された正答を見て自己採点。翌日報告しなきゃと言っていて。おお、電話でどうのってのではなく、お世話になったんだからちゃんと報告に行こうよ、と。わたしも行く。お礼のご挨拶に行きたいから、菓子でも持っていっしょに行くよ、と。ホントは結果が出てから挨拶って方が筋かもしれないが、結果が残念の場合、なんかこう、お互い気まずい思いをしそうだし。多分だいじょぶ状態の今の方が、相互にニコニコできないか?と。
てなことで、今日、二人で塾に行って来ました、手土産下げて。自己採点の点数を言うと喜んでくださったので、「いえいえ、内申に余裕が無いし倍率もけして低いとは言えない。今年の問題の平均点が出るまでは結果はまだわからないと思っています」と。「結果がどうのということではなく、お世話になったことにきちんとご挨拶をしたくて、わたしも一緒にやってきました」と。
この自己採点の結果の数字、息子がぺろっと総合点を言っちゃうもんだから「わお、なんてこと言うんだアンタは、もったいない」と。塾の先生に、「ちゃんと一教科ずつ得点を言って、総合点を計算するドキドキを味わっていただきたかった」と。そして息子に「最初っから、そんな大ネタ出すんじゃない、もったいない」とぶーぶー言うと、先生は息子に「おもしろいおかあさんだなあ」と。「先に結果聞いちゃうからそんな余裕なこと言えるんですよ、もう」と。「どこでどの教科でこの子がコケるかって、ドキドキだったんではないかと思ってましたよ」と。先生、苦笑しながら思いっきりうなづいてらっしゃいましたよ。改めて息子と二人で並んで「本当にお世話になりました」と頭を下げて帰ってまいりました。
帰宅後、言い忘れた用件があったと塾からメールが入ったので、用件に関しては息子に電話を入れさせて、改めてメールにてもご挨拶を入れました。

塾へのメール、一部省略バージョン

今までの3年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。心配していた大きな失敗が無かったことが、今回一番大きいです。ここまでがんばってきて、本人としては出せる力を出したと思います。これでかなわなかったらそれはそれでと、結果を受け入れられる状態になっています。試験終了後、公衆電話から電話をかけてきたのですが、さわやかな声で「もう受かっても受からなくてもいいや」と。ああ、できるだけのことをやり尽くしたという気持ちの状態にいるのだなと思いました。ご支援、本当にありがとうございました。

後期試験終了後、前期合格の友達と約束していて、部活に出ることになっていました。帰宅してから中学へ行くコースだと、かなり遅くなってしまうので、「直行していいよ」と言いました。さすがに試験会場にラケットやシューズは持っていけないので、担任の先生に預ける約束をしました。担任の先生は喜んで預かってくださり、部活参加中に数学の試験問題の模範解答を出し、採点もしてくださいました。「この問題でこの点数なら、いいんじゃないか」と言われたと、帰宅してから言っていました。
帰宅後、インターネット上で発表されている解答を見て、すぐに自己採点を開始。ひとつひとつの科目の採点を次々に出していき、横で電卓をたたきながら、本当に緊張しました。本人は、苦手教科の点数をカバーさせる可能性が高い数学が、目標としていた満点近くに到達しなかったことでかなり緊張していたようでした。最後の数字をたたき出したときに、息子は思わず「よし!」と声を出していました。これに対してわたしは「周囲の点数によるところは大きいけれど、暗い気持ちで発表を待たなくていいよ」と伝えました。

この、ひとつひとつの教科の点数を足していくときの緊張感に是非参加していただきたかったです。事前に打ち合わせをしておけばよかったと後悔しましたが、そういうことを言い出すと、「そういうことを考えちゃいけない」と息子に叱られていたようにも思います。しかし、やっぱり残念です。

26日にはいい結果をお伝えしたいと思っていますが、残念な結果になっても、本人さわやかにお伝えすることができるとも思います。成績だけにとどまらず、本人の成長にも関わってくださったこと、感謝しています、ありがとうございました。