リツエアクベバ

satomies’s diary

今日からまた実習

娘、前期に引き続き今日からまた福祉事業所の現場実習。あー、緊張する。なんだかんだ言いつつ、娘が実習をしている日中の時間、たいして何も手につかない一週間がまた始まる。
今日から実習の現場は人気殺到事業所で、実習に入るだけでも市内希望者抽選という狭き門。実習は体験実習のみということで、卒業後の進路先としての希望はできない。ただ実習を経験することでその後の「待機者リスト」には名前を連ねることはできる。「○○ができる」から入れるってとこではなく、逆にいろんなことができる人には「ウチではなくても」という言葉が出てくるようなところ。知的障害のレベルは重くても安定した作業を行っている利用者さんが多く、事業展開も魅力的で、わたし自身が「あこがれの現場」ではあったところ。卒業後すぐの進路先にはできなくても、待機者としてのキップが欲しかったのが実習を希望した理由。
実習前の面接で、「さすが人気殺到事業所」と思った。「実習オリエンテーション」と銘打ってあって、本人用の事前学習のための書類が本人に渡され、本人中心に説明。事前学習用の書類は写真ばんばんでルビ振りまくりの易しい文章。
面接後、いっしょに参加した担任と話す。あの事前学習用の教材はさすがでしたね。所内見学しながらの説明で、本人のための事前学習のポイントは全ておさえてましたね、と。すごいねー、すごいねー。
ってなことで、事業所の姿勢自体には何の心配もないのだけれど。それでも緊張するのは、今までの「振り向けばすぐにでも手をさしのべてくれる人がいる」態勢ではないのだと、実習の場面場面で娘自身が思うのだということだと思う。「学校」という場を出てしまえば、どこに行ってもその人数配置は学校とはやはり比較にならない。恵まれた人数配置にわたしも娘もすっかり慣れきってきたのだということを思い知らされる。
そうしたことを念頭に、学校での今年の作業学習は、娘にはあまり手をかけない態勢で進めてくださった。作業手順を一通りマスターさせ、「何かあったら自分で考えて呼びにいかなくてはいけない」経験の学習を積む。作業によってできあがる製品は、ベタで先生が付いててくださった高1の時と比べて、格段に質が落ちる。その格段に落ちた質の成果を見て、取り組んでいただいている方向性を感じてありがたいと思う。口頭の指示だけの校内移動も多い。それでも作業学習以外の人数配置は「振り向けばすぐにでも手をさしのべてくれる人がいる」態勢の場面は多く、わたしも娘もそれに慣れきってるからなあ。
実習は高2の時も合わせて、もう4個目。体験を繰り返してきたからこそ出てくる緊張を、表情の端に時折のぞかせる。先週学校で、「気にしていない風を見せながら、緊張しているのがわかる」とのお話。何気ない風を見せてはいるけれど文字を書かせると一発でわかる、と。今まで見せたことのない間違え方をするとの話だった。「家でもそうです」と答える。何気ない風を見せる、でも緊張しているのがわかる。
送っていくね、迎えに行くね。そんな一言に微笑んでうなづく。朝はいつもよりずっと早く目が覚めたようで、緊張感が伝わってくる。向かう道を歩く姿はしゃきしゃきと意志的な感じ。ううう、がんばってるのねえ、とか思う。卒業するんだなあ、とか思う。こうやって大人になっていくんだなあ、とか思う。
卒業まであと半年を切った。本人がんばってるから、かーちゃんもがんばらんとね。はーだのふーだの言ってないで、日常をこつこつやろうっと。