日曜日に息子の部活の試合を見に行く。個人戦のブロック大会予選。バドミントンのダブルス。
顧問の先生に挨拶をすると「昨夜、緊張してませんでした?」と聞かれる。「なんかバドミントンの試合のビデオを繰り返して見てましたよ」と答える。
いや正確に言えば「ビデオ」ではなく「動画」。YouTubeにバドミントンのハウツービデオがけっこう上がってるのを拾い出して見てた。YouTubeってホントいろんなのが上がってるのね、またよく探し出すこと、とか思った。
試合は勝ち抜き戦。一試合目はストレート勝ち。おお、予選一個進めるようになったねえと感慨。二試合目はまあ残念ながらストレート負け。惜しかったけどね、まあよくがんばりました。二回戦進出おめでとう。
いろんな子の試合を見ながら。部長やってる子はすごいなあと思う。うわ、やられた的なシーンのときにすごいタイミングで「ドンマイ!」と声をかける。やたらにたくさんいる中2の男子部員の中で、危うげな子の試合にぴったりと張り付き、声をかけ、肩をたたき、力づける。
この部長をやってる子の第一戦、気持ちがいいくらいの強さ。ブロック大会はたいがい優勝。この日ももちろん優勝。すごいすごい。
手をたたきながら見ていたら、同じ中学の子のかーちゃんが言う「あの子、小学校のときにずっとクラブチームに入ってたんでしょ、強いのはまあ当たり前よね」と。
(ほえ???)
「妹さんも今クラブチームで活躍してるんですって?」
(ほえほえほえ???)
「ちがう、ちがう、ちがうよ」と説明。「あの子ウチの子と幼稚園からずっといっしょの子。小学校のときに野球やってたけどバドミントンは部活始めてからだよ。おにいちゃんが中学の部活でバドミントンやってたんだよ。で、中学に入ってからバドミントンにしようって、そんな感じで普通に初心者で入部だよ。おにいちゃんはウチの娘と同じ学年の子だったからよく知ってるけど、そんなにスポーツ得意な子じゃない。だからおにいちゃんが強かったからってことでもない。それでもって、あの子はおにいちゃんと二人兄弟で妹はいないよ」。
驚かれる。うん、でもわたしも驚いた。
翌日、この部長やってる子のかーちゃんとたまたま出くわしたので、そのことを話す。「なんかストーリーができてるみたいだね」。
「ああ、クラブチーム入ってたって話でしょ。あと妹がいるってのも入ってなかった?」うん、入ってた。
「妹はなんかやたらに強い選手らしいよ」…、そうなんだ〜。
「でもさ、不思議なのはさ、そのクラブチームってのがどこに存在してるのか、誰もよく知らないことなのよ。どこにあるんだろうね、小学生も入れるバドミントンのクラブチームって。近くにあるのかなあ」。さ〜、わからんねえ。
この子、野球やってるときから、親が見に行く試合は絶対負けるってジンクスができちゃったそうで、だから試合は見に行けないんだそうだ。日曜の様子を報告する。びっくりしたのは、この日この子、実は熱があったってこと。すごいねえ、がんばってたよ。
母親がしみじみ聞いたのは、試合で強かったという話よりこの子が部長としてどんなに仲間を力づけているかという話。すごいよ、ホントに頼もしい部長さんなんだよ。
夜、息子と話す。「今日、あの子のかーちゃんに会ったよ。すごい部長さんなんだよって言ったら驚いてたよ」と言うと、真顔で「なんで?」と聞く。「いい部長だよねえ」と聞くと、なんでそんな当たり前のこと聞くんだという顔で「うん」と答える。同じ年齢の子に素直に尊敬されるってのは、やっぱりすごいことだよなあと思うな。