リツエアクベバ

satomies’s diary

「ランボー 最後の戦場」観た

午前中をバタバタとこなし、12:20上映に行く。映画館の中はオッサンとオニイチャンだらけ。ぽつんとわたしよりもう少し年代が上の女性。平日の12:20上映、人もまばらな中、大半が「お一人様」。いや、どんな人が観にきてるんだか、ちょっと興味があった。
本当はもう少し日程が後でしか観に行けないなあと思ってた。でもfoxが26日に行くって言うもんだから、いいなあああと思って慌ててスケジュールを見直して「行ける」と判断。で、ゴー。

5月26日のA 最後の戦場/OUTER HEAVEN
とりあえず、某姐御より、「ネタバレするな、したら殺す」と強制力のある”お願い”をされたので、どこまで書けるかと言うところですが、まず言えることは、「これPTAが見たら上映中止とかになるんじゃね?」ってくらいの感じで、暴力描写がハンパない。つーか、かなり悲惨で飛散で、いろんな意味でグロい。よくよく見てみたらR15指定じゃんか。姐御、早めに見に行った方がいいのでは・・・とか一瞬思った。

ロッキー・ザ・ファイナル」のときも、そんなに上映期間は長くなかった。だから今回も、スタローン来て宣伝してる割にはそんなに長くないんじゃないかとも思ってた。いや〜、グロいとねえ、教育上コレはダメアレはダメ的犯人探しが大好きな国では、いくらR15指定しても目くじら立ちそうだし、長期上映はきついだろうとも思った。
以前長崎で事件起きたときに、foxと「バトル・ロワイアル」の映画の話をしていて。foxは「そんなに描写はきつくない」と言う、わたしは「いや、アレはきつい」と言う。世代差なんではないか、なんてことを言っていたんだけど(’60年代生まれと’80年代生まれ)。
今回のランボーの暴力描写は、バトル・ロワイアル裸足で逃げるぞってほど、半端無いものすごいものだった。映画に対して、ここ指さして批判はすごく出るだろう的なとこも、当然予想されるというかなんというか。一個のシーンでさえ大騒ぎでつつけそうな描写が、これでもかこれでもかと大量に続く。
そんな凄まじい戦場描写の映画で。わたしはランボーが戦場へ行く決心をするあたりから泣けて泣けて。暗闇の中、ごそごそとハンカチを探し出し、顔に押しつけて目だけ出して観てた。
なんで泣けてくるかっつ〜とさ。これは。ランボーの第一作目との関連がでかいんだよ。スタローンが作った「ジョン・ランボー」という人間。そこにスタローンが決着を付けた。これはこの映画は、原題通り「JOHN RAMBO」なんだと思う。
スタローンが作り上げたロッキーは「負けないヒーロー」。勝つんではなくて、彼は負けない。試合自体がどうのってことじゃない。彼は負けない。
それに対して。スタローンが作り上げたランボーは「勝てない兵士」。人は殺せる。殺すための、その場で勝ち、生き残るための力は持っている。でも。彼は「勝てない」んだよ。だからこれまでのラストはいつもつらい。
だいたいロッキーは、オナジミのテーマ曲が流れ始めると、お約束の「ハイになっていい」シーンになる。でも。ランボーの場合はランボーの活躍のシーンは全て派手な殺戮シーンだしね。それはランボー自身のもつ自己に対しての葛藤と絡み合う。ランボーの活躍シーンはロッキーのように「ハイになっていい」シーンとは違う。ランボーの持つ哀しみを見届けるためにあるシーンのような感。今回のランボーは「国のため」というワードさえ、戦場へ赴く決心の中で切り捨てた。
このシリーズのラスト作の今回、ランボーは自己を真っ正面からとらえ、受け入れ。だからこそ残虐性はこれまで以上だとも思う。でも、だからこそ、この作品のラストシーンがあったのだとも思う。これまでのシリーズ作には無いラスト。
あと、今回は周囲の登場人物に関して、これまでのシリーズとちょいと違った。戦場では戦場モードの人しか今までは出てこなかったけど、今回はそこでソレ言っても虚しくね?ってなとこで「人を殺してはいけない」と正論をぶつ人が、実際に人を殺してしまうシーンとか。
それから。スタローンの「ドリブン」を観たときに思ったけれど。自身の映画が商品として受け入れられにくくなってきた中での企画ということで、スタローンが年を取っていったことをそれなりに自身に納得させていくような企画の立て方だとは思ったんだけど。
そのときの感覚に比較すると、「ロッキー・ザ・ファイナル」や「ランボー最後の戦場」を生み出していっている現在、年を取るってことはこういうことよね、と、逆に思わせてくれるような感じがする。それはスタローン流で、なかなかできることじゃないとは思うけどね。
ところでスタローン氏、自閉症の子のパパだってことは、あんまり知られてないらしい。自閉症とは何の関連も無いけれど、元々はそこが発端だったらしい「オーバー・ザ・トップ」も、わたしはけっこう好きです。わはは、スタローン大好き。
ああ、ランボーの最初のヤツのDVDを引っ張り出してきて再観したいけど。ここでどっぷりつかると、脳味噌完全にランボーまくってしまう。明日の予定のために脳味噌切り替えなきゃ。