リツエアクベバ

satomies’s diary

「ひのきキューブ」に見られる工夫

作業学習「ひのきキューブ」/特殊学級から養護学校、そして特別支援学校

わい、霞先生すごい。以下「すごいな」と思ったことを箇条書きに。

  1. 魅力ある製品の設定
  2. 工程の分析
  3. 本人に「できる」を体感させるための工程上の的確な準備
  4. 生徒の障害からくる特性を、工程上出てくる必要な「仕事」に利用
  5. 作業段階の終了に対しての「見える」工夫
  6. 「先生待ち」が発生することに対しての考え方
  1. つまらんものよりも「へ〜」ってものの方がいいに決まってる。たとえ作業が稚拙であったとしても、設定に魅力のある製品に対しての「ほう」っていう反応は、作った生徒の達成感にフィードバックされる。
  2. ただの「工程分析」じゃない。「実際に生徒が作業に取り組めるよう工程分析」の重要性。それと。「手引きののこぎりを使うと、大きな動きで作業することができ、『終わった』ということが明確にわかるので、障害が重い生徒にも取り組ませることができます」。確かにのこぎりってのは、あの切れた瞬間のカコーンって感じが、「終わった」と明確にわかる。おっしゃ〜って感じ、するものね。こういうこと、改めて「障害をもつ生徒の作業の工程」としての意味を考えると、(これは使える)って思うよなあと思った。
  3. まっすぐ切るのが難しいという課題は、あらかじめ角材の半分程度まで切込みを入れておき、残りを生徒に切らせることで解決できました」。例えばボタンはめを教えるのに、最初はボタンを半分ボタンホールにくぐらせて、最後の一押しで完成、というところから始める理屈と似てると思う。全部自分でやったのではなくても、最後の「できた」というパートをやらせること。これはその作業だけにとどまらず、いろいろな苦手材料に向かうモチベーションの芽を育てることでもあると思う。
  4. さらに、3人組のうち2人が角材に腰掛けて固定し、1枚板を切ったら交代…というローテーションを組めば、体力・精神力的に集中の持続が難しい生徒でも、座って休憩していることが“仕事”になります」。これはすごい、と思った。参加の線も途切れない。霞先生自身、ここに思いついたとき(オレ、すごい…)って思ったんじゃなかろうか…。
  5. より直感的に判断できるように、スタンプ台を使いました」。コレも非常にわかりやすい。直感的に、というか、はっきりとした視覚情報で、という工夫は大切だと思う。実際に取り組む作業にこの「はっきりとした視覚情報」が無いならば。要は「作ればあるね〜」ってとこを見つけ出せば作り出せばいいわけで。という具体的な実践例だと思う。
  6. このような工程設定をすることで、8名の生徒を1人の教員で指導することが可能になりました。また、作業中に生徒が“先生待ち”する場面も減り、生徒の活動量が増えました」。指導中に「先生を待つ時間」が多い場合、そこで「待てない生徒」が発生する場合。「待てない」ことで集中の線が切れる、乱れる等を、いつまでも生徒の障害特性としてとらえるのか。「待たせない状態」が発生するのは、「待たせない工夫」をすることから生まれるのではなく、しっかりとした工程設定をすることから生まれるのだ、ということの実践。