リツエアクベバ

satomies’s diary

ちょこっとモンスター

 日曜から中学の宿泊行事に出かけた息子、インフルエンザと共に帰ってまいりました。
 二泊三日の日程で、初日夜に担任がインフルエンザ発症で日程途中抜けご帰宅、二日目に隣のクラスの担任がインフルエンザ発症で日程途中抜けご帰宅だったそうな。引率者が減っていく状態で大変だっただろうな、と。
 なんてことを思いつつも。帰宅日の午後からきつくなってきたと、明らかに高熱の状態で帰ってきたうちの坊や。インフルエンザ発症者が出てくる可能性がんがんな集団になってるんだから、きつそうなヤツがいて誰か熱でも計ってくれなかったのかいな、とは思った。帰宅後すぐに検温で39.6℃だぜ?重いリュック背負って5時半過ぎにとことこ帰すなよ、迎えに来いって言ってくれよ。って思ったなあ。
 障害をもつ子が一人目家庭の我が家。そんな状態だったらすぐにでも誰かがそれなりの手をかけ目をかけ対応を取り、という流れになるのがまあとてもとても自然な特別支援教育体制を通ってきた娘。そういうのが第一子な我が家なわけで、なんか高熱状態で帰ってきた息子に対しての学校の対応はあんまり乱暴なんじゃないかとも思う。ねえ普通の子の普通の中学ってこういうもの?中学生だからそういうのも自己申告制、自己責任基本ってとこなのかなあ。学校という場の「普通の子」対応がよくわからん。
 先生二人もインフルエンザで途中で帰ったって状況で、「喉が痛いとか頭が痛いとか、そういうことがあったらすぐに言ってください」とかなんとか、先生たちは誰も言わなかったのか?と息子に聞く。「言わなかったし言われなかった」と答える。もしもそういう風に言われていたとしたら早めに言ったか?と聞くと「言ったと思う」と答える。具合が悪くなってきたのが帰る状態になってからだったので、特に自己申告の機会が無かったと本人は言う。う〜〜ん、なんだかね。
 とりあえず。またまた「息子と話す」。早めの受診、早めのリレンザ処方でちょこっと落ち着いていきているので。
 あのさ、わたしはこれがちぃちゃんだったらもう考えられないわけ。なんでこんな状態なのにほっといたとか思うわけ。わたしは。とっとと迎えに行ってやりたかったよ。アンタあの熱で帰ってくるの、きつかったでしょうよ。自分で先生に言わなかったアンタがどんくさいってことになるのかなあ、と。それが「普通の子の中学生の世界の対応」ってことになるのかなあ、まだ中一なのにねえ、わたしにはわからんよ、と。
 ふむ。今日は代休だけれど、明日、欠席の連絡を学校にするときに。おかあさんは学校の先生にそんなことを言おうと思うけれどいいかい?と聞く。なぜ引率者にインフルエンザ発症者が二名も出てるのに、生徒の状況に丁寧に目を配らなかったのか、と。そんなことを冷静に丁寧に言いたい言おうと思うのだけれどいいかい?と聞く。障害があるとか普通の子だとかわたしには関係無い。なんでこんな状態で帰したのかと、わたしはすごくくやしいんだよ、と。
 「言ってもいいよ」と答える。そか。ならアンタが聞いている状態で、どんな風にアンタのかーちゃんが学校に言うのか聞かせながら話すわ、と言う。なら、なら、今学校に電話しちゃうわ、と言う。中一は代休だけど、学校はやってるんだからさ、と。
 帰宅後、顔を見ただけで発熱しているのはわかりました。検温すると39度6分でした。受診してインフルエンザA型との診断を受けました。具合が悪くなってきたのが帰る行程になっていたあたりだった、自己申告のタイミングが見つけられなかったと本人は言う。引率者がインフルエンザで途中抜けしていく状況で、もしも「頭が痛い、喉が痛い等あったらすぐに言いなさい」と言われていたら自己申告はしたと本人は言う。引率する生徒に対して丁寧な視点をもっていただきたかったし、発熱がわかっていたのならわたしは迎えに行ってやりたかった。ウチは学校から近くないです。
 電話に出た先生は、丁寧に聞いてくださった。おっしゃる通りです、と。お母様のお気持ちはよくわかります、と。早めに申し出ていただいてよかったです、と。校長含め担当の教員と話します、と。
 あのう。引率される先生方も大変だったと思うんです、だから糾弾とかそういう強い姿勢とかそういうことではないんです。それでもわたしはやっぱり言わずにはいられなかったんです、と。そんな風に付け加える。
 電話に出られた先生にそのままお話をしてたんだけど。電話を切るときに「ごめんなさい、先生は何先生ですか?」と確認させていただいたら、「副校長です」と。おお管理職に直伝えってことになったのかいな。そうかいな。
 電話を切って。ねえわたし、アンタが困っちゃう風には言わなかったつもりだけど、だいじょうぶ?と息子に聞く。だいじょうぶだよ、と息子が答える。アンタも言えばよかったのになんで言わなかったの?とあらためて聞く。「学校までとりあえずたどりつけば、おかあさんが迎えにきてくれるんじゃないかと思ってたから」と答える。
 いや〜、もう中学生だからさ〜、いくら学校から遠いからって、うちの近くの子たちはみんな歩いて帰ってくるのに迎えにいっちゃおかしいさ、と。そういうことになってたんだけど。で、迎えには行かないよ、ってことになってたんだけど。でもコイツは(迎えに来てくれるんじゃないか)と思ってたわけで。で、ホントのこと言えば、途中まで迎えに行っちゃったんだけど。
 でも先生には「家に帰ってきたら」って言っちゃった。ああちょびっとウソついちゃったね、って、二人でえへへ。でも「普通」だったら「家に帰ってきたら」ってことなわけで、だからそういう風に学校に言ってもまあいいやね、とか。よくないか。でももう言っちゃったけど。ちょびっと設定にウソついちゃった分、わたしもモンスター・ペアレントかも。いや「かも」じゃないかも。
 なんてやってたら、用事あって夫から電話。ねえついでにちょっと話していい? わたし学校に電話しちゃった、これこれこうこんな風に言うために。ねえわたし「普通」の線がわからないのかなあ。
 「いや言っていいことだと思うよ」と夫が言う。「社会に出たら、そりゃ自己申告基本かもしれないけれど、義務教育で引率者がいるわけで、言ってみれば子ども預かって宿泊で出かけてるんだからね、そういう責任はあると思うよ。」
 同調もらって調子にのって言う。あのさ、わたしが引率者だったら絶対言ったと思うのよ、「少しでも体調悪くなったらすぐに言いなさい」って。普通の状況の集団じゃないって、わたしはそういう自覚をかなりもつと思う。だからわたしは同じ状況だったら、絶対目の配り方は慎重になったと思う。
 なんてな。いやでも、けっこう反省もした。(迎えに来てくれるんじゃないか)ってコイツが思ってたこと。自分がきつい、だからかーちゃんは助けてくれるだろうって思ってるってこと。これが自己申告の機会を逃した一因でもあるんだなあ、と。この辺、今後ちゃんと考えていかなきゃなあと。子ども育てるのって、難しい。