リツエアクベバ

satomies’s diary

えっとですね、昨日の続き

 本文に関しては。わたしは「はあ、さいですか」的なとこがあって。なんかこう「よくできている」的感覚から逃れられない。内容より表現より、書き手の計算のようなものが見えちゃう。でもって、書き手による「話の閉めをどうもっていくか」的な感覚が見えちゃう。そういう自分の中の斜め視線が消えない。(2007-12-11更新分

 ひとつひとつのモチーフにリアルな描写があるんですよね。だけど、そのひとつひとつのモチーフのはめていきかたに段差というかデコボコというか、(え?そう飛びますか)みたいなとこがあって。そこにかくんかくんとつまずいちゃうんですよわたしは。で、そのつまづいたときに、つまずいた状態で見上げて(ここ、計算?)とか思っちゃう。
 あと。障害のレベルが不自然、ってことでいえば。それは実はカテゴライズされない「障害者」をつくることで、そこに重点もっていかれたくないという計算だったのかなあ、とかも思った。
 ひとつひとつのモチーフのリアルに人がどう反応するかってことは、それはなんの文句も無いわけで。そしてリンクした玉井氏の言葉が自分としては同調できるものという部分もあって。そしてそれがばばーっという感じで読めたのは文字通りの「収穫」だったわけです。特にきょうだいの立場の方の反応を見たことも大きかった。
 創作か実話か、ってとこで。この手の話で実話で、ってとこで出せば、それはもう「自閉症裁判」でしょう。書籍紹介及びレビューは以下からどうぞ、ってことなんだけれど。

2006-02-23 更新分「昨日書いた文章への補足」
 殺人事件が起きた、この犯人の人生。そして被害者の人生。被害者の身内の人生。と、簡単にあげてしまえば、簡単な推測、なんてことも起きうるかもしれない。でもこの書籍に記載された文章は、その簡単な推測に対して、大幅に上回るものを与えてくる。

 ただ。書籍を購入してまでリアルにふれようとは思わない人も多いわけで。こうした形で文章のうまい人がリアルをモチーフにうまく使っていくこともアリだよなあ、とも思うんですよね。どこにもっていきたかったの?ってのはよくわからなかったけど。そんな感想。