リツエアクベバ

satomies’s diary

中学生と携帯 

子どもの携帯料金/ぢゃりんこ

 うちの息子は小学生のときから、携帯を使ってます。「持っている」のではなく「使っている」。なぜか。
 このあたりはgooに以前書いたけれども。元々は娘を通学させるときに必要な位置検索機を購入したことから。様々な位置検索機と位置検索サービスとを比較検討した結果、ドコモのP-doco?miniに落ち着いた。手のひらサイズの位置検索専用の電話機能をもたないPHS端末。ここで出てくる問題は、その位置検索はパソコンからでも可能だけれど、携帯としてはドコモの携帯からでしか位置検索ができないこと。
 さて。このためにわたしの携帯をボーダフォン社からドコモに変えるべきか。と考慮した末に、ドコモ機を新たに契約するという選択をした。それは。位置検索に使わない時間帯に息子にもたせてメリットがあるだろうということ。
 家族3人で4人で外出をする。どうしても娘のペースに合わせた行動になる。ちょっとあっちに行ってきたいこっちに行ってきたい、などということが出てくるときに息子には我慢させたり娘の手を引っ張ったりしなければならなくなる。「アンタ、これもってて」とそういうときに携帯を渡す。それから放課後。息子は息子の行動がしたい。あっちに行ったりこっちの友達んちに遊びに行ったりしたい。わたしは娘の行動や娘の学校の用事や娘のお稽古ごとやらで、家に出たり入ったりしながら息子にカギを使わせながら。そういうときにすぐに本人と通話しながら本人の行動を確認できるツールはあればあっただけありがたい。生活に出てくる可能性を道具によって助けられるのは道具であればこそ、と。
 道具はとても便利に活用されたと思う。どうしても障害のある子の方にかかってしまうことで出てくる、そのことをきょうだい児が複雑に思う可能性のある心理に関して、これは「使えるライン」なんだという実感ももった。ただし、友達には見せるなと言った。友達に聞かれたら「おかあさんの」だと言えと言った。再三「それは『もたされている』携帯」だと言った。実際日中はわたしが携帯しているのであって、「もたせているおかあさんの携帯」だったのだし。
 娘が中三のときに、位置検索端末機からドコモのキッズケータイに変える。位置検索のシステムがPHSからGPSに変わったことで、位置検索精度が格段に上がった。この、娘に携帯を買ってやったときに、息子に持たせる機会のあるドコモ機を機種変し、ブルーの彼の好みに合わせてやった。息子6年生。彼に持たせているときに、連絡を取りたいときに、わたしがメールを利用したくてやり方を教えてやったけれども「電話だから」と息子は答えて、電話としてしか使ってなかった。
 中学生になって。いつ頃からだっただろう、夏休み明けくらいから「メールアドレスを教えてくれ」と息子が同級生から言われるようになった。はあ持たせる時期が始まったんだなって感じで。「教えてくれ」と言われても彼はメールアドレスを持ってない、というか設定してなかった、電話機だったから。位置検索でiモードが必要だったのでiモードの契約はしていたのだけど。で、まあ、そうかと。彼が自分で好きな文字列を使ったアドレスを設定することを容認。ただし調子に乗るなよ、と釘を指す。今まで持たせる用事があるときだけ渡していたのだけれど、「朝かーちゃんにくれ、午後かーちゃんがアンタに渡す」という態勢にする。この時点で、わたしは「中学生の子どもに携帯を持たせた親」になった。ここは自覚しておかないとね。
 そのうちに、この携帯のメール着信音がけたたましく鳴るようになる。音量最大ドラクエのテーマを設定してあるもんだから、本当にけたたましい。「○○からアドレスを教えてもらった」との文面が連続して出てきて、「あのな…」と。
 「メールアドレスってのは、誰々から聞いたとかなんとかってのはダメなんだよ。アンタ小学校でネットがどうとか携帯がどうとか、ちょこっと学校でやっただろ?プリントももらってきたよね?これは大事な個人情報で、了解も取らず流していいもんじゃないんだよ。」
 「まだ数人だからいいけれど、これが頻繁に続くようならアドレスの再設定も考えなきゃならないと思う。それから、アンタはこれはやったらダメだよ。」
 まあそれはよくぴーひゃらぴーひゃら鳴るようになった。明日の部活の時間変更を知ってるか?とか、宿題はどこまでだったか、なんてこともあるんだけれど。ホントにどーでもいいものの方が多い。
 自分の携帯持つ子増えてきたのねえ、なにするために買うんだろ。と、わたしが言うと「そりゃメールだろ」と息子が言う。何を生意気なことを言ってるんだ、中一かそこらで自分の友達との連絡手段の維持に毎月数千円なんてのはわたしは納得いかないね、と言う。
 「そりゃメールだろ」とは言うんだけど、それでも「ボクのアドレスを登録してくれ」以上の会話ができない子も多く、そのうちぴーひゃらぴーひゃら鳴らしてくる人間が限られるようになった。
 仲がいいんだか悪いんだか、息子を小手先でからかうような文面のメールを送ってくる子が複数いる。息子は最初は変にアツくなってたみたいだったけど、「つまらん揶揄はかまうと育つ、スルーしろ」と言ったら、そういうメールは放置して放り出すようになった。そうしたら今度は同じ子から電話がかかってくる。取ったら「ははは、わたしだ」と言われたそうで、「バカバカしいからもう出ない」と言う。着信履歴が多くなったときに、いいの?と聞いたことがあって「用事があるなら家の電話にかけ直すだろ。家の電話を使えないようなことは別にたいしたことじゃないと思う」と。ふうん。(まだそういう話題が無いのか)とも思う。
 そんなこんなのある日、請求書の金額がいきなり上がってることに気づく。ちょっとアンタこれ、何やったんだ?世の中の話題の金額よりは微々たるもんでも、わたしにとっては「おい、ちょっと待てよ」の金額だった。無料でついてくる金額の範囲を軽く超えるような金額は認められんぞ。
 請求書の金額に、息子、愕然とする。友達が送ってくるメールの画像に興味をもって、どうやってそれを入手したのか携帯の検索サイトでアレコレ検索を続けた期間があったらしい。ふむ。料金システムをきちんと説明していなかったわたしが悪かった。こうでこうでこうなってる。アンタがもしも適度になんかしたいことがあったとしても、それは無料の範囲内でおさえろ。ちぃちゃんの携帯にくっついてきてる無料分だって使えるわけだから、そこでおさまらない使い方はおかしい。それから画像のメールへの添付は送信も受信もそれなりに金額はプラスされる。金額がどうというより、アンタこんなことに金使ってられる立場かどうかってことはよく考えろと言う。それから人んちの財布に影響するような、他者に影響を与えるような行動言動についてもそのこと自体を考えろ、と言う。それからは請求金額はまた元に戻った。
 終了したばかりの中間試験の一週間ほど前くらいから、実に頻繁にぴーひゃらぴーひゃらと携帯が鳴ってた。思わず笑ってしまう。試験勉強の息抜きツールかい、と。文面は相変わらず特にどうしたこうしたもなく「国語の勉強したくねえ」とかそんなもの。どうすんの?と聞くと、「返信すればすぐ返信される、キリがない」と答える。ふうん。
 とりあえず。彼は「持ってなきゃ友達じゃないもん」感覚は無いらしい。「受信即返信絶対」とも思ってないらしい。単なるツールという位置づけに彼自身は落ち着いてる。結果論ではあるけれど、早めに使わせてきた分、機器所持に舞い上がってないことも関係しているようだなとも思う。それと本人も周囲もまだ幼いってことかもしれない。これから学年上がっていくとどうなるんだろ、とも思う。
 ただ一度。携帯のメール画面をひたすら見つめていることがあった。親に妹にこう言われて自分は言い返せなかった、くやしい、的な内容だったと。たいした返信はできなかったらしいが、それでも早めに返信してた。その後の短文のやりとり。「ありがとう」「いいよ」だったそうで。コイツもこのちっちゃい機械をそのうちこうやって使うんだろうな、とも思った。ただ機器利用よりも、まずは機器を利用しないコミュニケーション能力の方が先だとは思うけどね、友達関係ってのは。