リツエアクベバ

satomies’s diary

進路面談

 娘の特別支援学校で進路面談。進路専任の先生お二人と、学年の担任の先生と、出席者4名。進路指導室にて。
 進路に関しての情報収集にいつでもお気軽に、なんてことは言われているけれどなかなかに敷居が高い進路指導室。初めてゆっくり入った感じ。市内の様々な施設の情報が部屋のあちこちに。そして壁には現在の高三の実習スケジュールがぎっしり。保護者付き添いの欄もあり、一日全付き添いの表示もちらほら。そうかあと思う。
 約束の時間に担任の先生がまだ来られなかったために、進路専任の先生が教室に声をかけに行く。その間に面談のテーブルの上に広げられていたノートを見ちゃう。家庭訪問や面談等で今まで担任の先生に折りにふれ聞かれ、また伝え続けてきた娘の進路に関しての保護者の希望等、ぎっしりとメモ。
 希望は。電車にて通所できるところ。電車利用はすっかり慣れていること、またバスは教えていないし、同じ停留所に違う行き先のバスが着くとどこまでそれがわかるのか非常に不安。駅からの徒歩圏内はかなりしっかり歩く子なので、近くなくてもかまわない。また学校卒業後は体育がなくなることを考えると、日々歩く距離は長い方がいいかもとも思う。
 それと。レク行事を定期的に行うところ。思考は卒業後すぐではなく3年後から5年後くらいにわたしはいってる。学校は3年ペースで環境が大きく変わり、自分で変化や成長を感じられる。それがなくなることを考えると3年や5年後の生活のマンネリ化で生まれてしまうかもしれないものが怖いこと。普通の人のライフステージで出てくる「次」は、まあ無いといってもいい人生になるので。そうしたことを考えると、日々日常に「楽しみ」をわかりやすく仕込んでいくことが重要ではないかと思うこと。
 なんてことが伝わっていることを確認。「先生ノート見ちゃいました〜。そうなんです希望のポイントはこんなとこです〜。」
 今度は進路専任の先生から娘のこと。「よく人を見てますねえ、よく周囲を見てますねえ。状況判断強いですねえ。よく見てるからというか、落ち着いてますよねえ。周囲に軋轢を起こさないとこで、かなりしっかり自分を持っていますよねえ。」
 そうなんです、しかもそれがわかりやすいでしょ? 極端な話、だいたい2〜3日いっしょにいるだけで(こういう子なのかあ)とわかりやすい。だから基本的にはあんまり心配してないんです。どんな場を選んでも、きっと本人が自分の位置を自分で模索して確立していくんだなあ、という感触がある。正直言って息子の方が100倍心配です。
 「正直言って息子の方が100倍心配です」に先生たちウケる。いや真面目にホントそうなんだもの。基本的な「生きる力」は娘の方が格段に上だと思う。
 第一希望としている場に関しての、自立支援法がらみの情報。「制度上、また対象になる障害の判定レベル等、希望できる範囲にある。だからといって入れるとは限らない、あそこ人気ありますから。また実習希望もあそこは人気ありますから難しいですが、今後前向きにチャンスに向かってチャレンジしましょう。」はい。
 で、他にお嬢さんに向いてそうなとこですけどね、見学行ってくださいね、と。横浜市の「障害福祉のあんない」という冊子の施設一覧のページを広げて、「ここにここに、それからここね、あとここも見てきてくださいね」、と。作業内容は喫茶、うどん屋、手織り、パン屋など。「外に向いている子ですよね」と。
 はい〜。外に向いてる子なんですけどね。でも…とも思うとこがあって。わたし肢体の方といっしょの施設もかなり頭に入ってるんですよ。いろんな人を見てる、いろんな人に今どういうアプローチをどういうコミュニケーションをしようかと、ホントそういう風に見てる。自分の手をどう貸すか、ということも見てる。そういうことも含めて、障害種別の境をはずしたいとこもあるんですよ、と。「あ〜、そうですか〜、そうですねえ、そういうとこも確かに強そうですねえ。また条件に合いそうなとこあらっておきます」お願いします。
 先生がもっている「障害福祉のあんない」の施設一覧のページには、赤ペンの書き込み多数、また名刺もばんばん貼り付けてある。「ここはねえ、所長が元気ですよぉ」。
 先日ここ見に行ってきたんですけどね、ここの所長の方、前任の職でわたし知ってる方でした。とても勢いのある方。行く場所選ぶときに現在の状態もそうですが、トップが元気な方のとこがいいなあ、と。切り開いていく感じのとこがいいなあと思います。
 「そうねえ、そうですよ。法制度もばたばたしてますからね、その困難の中で、やっぱりトップの方が元気なとこは魅力ですよね。困難あっても必ず残ります。」おお断言だ、と思う。
 「自立支援法もね、利用者負担がどうのってことじゃないんですよ本当は。施設が安定して運営していける制度が絶対に必要。その安心感がまず先なんですけれど。でもそういう話では選挙で票は取れないんですよねえ。」ふむふむふむふむ。
 とにかくこの進路専任の先生、すっげ〜パワフル。場を発掘していくということでかなりやり手の部類に入るんじゃないかと思う。まだまだ異動しないでくださいね。あと最近特別支援学校の進路専任の先生が、サポート校から引き抜きされる話も出てきているようですが。まだまだいらしてくださいね。などと懇願。
 最近時々「こうこうせい」って言ってにこにこしてるんですよぉ、と言うと。「まあそうですか、では次は『しゃかいじん』ですね。高三になって現場実習が始まったら『つぎはしゃかいじん』っていっぱい言ってあげてくださいね」と。おおお、社会人かあ、と、わたしもワクワク。
 「次の面談は高二ですから。その面談のときまでには、今日お伝えしたとこの見学はノルマですよ、ノルマ」。ふわ〜い。
 高一の進路面談。基本的な進路に関しての視点指導かと思ってたんだけど。ぐいぐいぐいぐいと具体的。お〜し、がんばるぞ〜。