リツエアクベバ

satomies’s diary

小児の医療に関して

医療費無料は本当に良い事なのか/CROOK

 う〜〜〜〜ん、と思った。まあなんとも結論の無い話なので思いつくままに上記エントリの「?」にアレコレ。

で、コレって本当に必要なの?って話。

 未就学児の医療費助成。これはどんどん制度が進んでいきますね。現在中一の息子が乳児期、当時住んでいた自治体では乳児医療制度があるにはありましたが、所得制限があり、年収300万円台だったか400万円以下だったかという線で、うちは利用ができませんでした。
 そして息子が一歳児を過ごした年が該当する期間において、確定申告をしました。高額になってしまった医療費のために。
 特に入院したわけじゃない。体質というかなんというかでこの子は「くしゃみひとつすればすぐに鼓膜が炎症を起こすタイプの乳児」だったこと。つまり風邪の早期段階から鼓膜の炎症の可能性がすぐに始まるタイプの子だったこと。乳児の耳の構造の特徴から、時々こういう子はいるんだそうだ。
 炎症化膿による鼓膜切開や、それを防ぐための早期の受診、炎症後の治療、経過観察。化膿後や化膿を未然に防ぐための抗生剤投与。この子の乳児期は、耳鼻科と小児科の待合室で育ったようなモンでした。一度に払う医療費はそんなに高くないんだけれど、なんせ頻度が積み重なれば結果高額になっていくわけです。
 まあ自分の子だから払いますけどね、必要なんだし、医療費。でも乳児期はこうした、ちょっとしたことでも医療費がかかる子どもはいる。悪性新生物 慢性腎疾患 ぜんそく 慢性心疾患 内分泌疾患 膠原病 糖尿病 先天性代謝異常 血友病等血液疾患 神経・筋疾患 といったものに関しては「小児慢性特定疾患」として医療費が助成されるのですが、そこに入らなくてもうちのボクのようにやたらに医療費がかかる乳児や幼児というものは存在すると思います。そしてこうした、一時期やたらに医療が必要な子でも、だいたい2歳や3歳、5歳程度にはたいしたことはなくなっていることも多い。

小児慢性疾患について

 小児科と耳鼻科を行ったり来たりしてれば自ずと顔なじみは増える。一度でも熱性けいれんを起こしたことのある子ども、というパターンの母親もマメに小児科にくるクチでしたね。アトピーの子も金かかって大変だなあと思ったなあ。

無料だからとりあえず病院へという考えに陥りやすくは無いのか?

 いやないと思う、わかんないけど。だって好きこのんで子どもを病院に連れていきたかないですもの。ぴーすかぴーすかばたばたばたばた、ほらおとなしくしなさい、とか。なんだってガキってのは、ちょっとでもきつい状態がおさまると、それまでの時間を損したかのようにばたばたするんだよ、と。それでも受診しなくていいわけではない状態でも。そして混んだ小児科なんてのは次の感染をもらうための巣窟みたいなもんですし、無料だからほいほいってそういうもんでもないと思う。
 小児科ってどこも混んでるもの。小児科の医院って少ないし。小児科ってのは子ども連れていく前になんとかして、順番待つ番号だけ親だけ行って書いてこよう、って。わたしはそういうのが感覚的に常識だったんですが、どこもそうじゃないのかな。子どもが小さいときにわたしが住んでた二カ所の地域だけなのか? だってゆうに一時間待ちとかだもの。時期や曜日によっちゃ二時間待ちとかだってアリじゃない?でかい病院じゃなくて町医者で。
 今んとこ転居してきたのは上6歳、下3歳のとき。最初は小児科行ったけど、下が学齢期になるちょっと前くらいから「小児科も診られる内科」に行ってます。だって今住んでるとこで該当する近所の小児科医院の混み方っちゃすごいんだもの。調子崩すと吐きやすい娘が待合室でげーげー吐きまくってたって、一時間半待ちだった。
 小児科医院が少ないのは、保険点数の制度が原因だという話。保険点数は投薬で計算され、説明等のお話は計算には入らない。つまりいくら説明に時間とっても報酬には結びつかない。なんだかんだと騒ぐかーちゃんと話すこともその仕事のひとつである小児科医ってのは、ホントに大変な仕事だと思う。

みんなで「小児科」を考えよう
現在の日本の医療システムは、保険点数制に基づいて診療報酬が決まって来ます。それによると少量の薬しか出せない小児科は点数が低く、必然的に一人の患者に対する診療報酬が安くなってしまいます。診察するにも子どもはむずかったり、コミュニケーションをとるのが大変だったりで時間がかかります。また、通常は医師一人で診察できるところを、スタッフが二人三人と必要になってしまうわけですが、そういうコストは保険点数に計上できません。よって、病院経営の視点で見ると、小児科は「利益が出ない」「採算がとれない」診療科となってしまうのです。複数の診療科を持つ中小の病院で小児科の閉鎖が多いのは、そうした「不採算部門の切り捨て」という経済論理によるものが少なくありません。

 ただ医療助成が3歳までという時期に、必要な医療を三歳児のうちにやっちまおうって線はありました。よく聞いたのは停留睾丸。あとは三歳の誕生日目前に小児科で目薬もらっとくとか、解熱剤もらっとくとか。目薬は鼻風邪ひいたときに結膜炎になりやすい子というパターンで。

薬漬けの子供が増えるのではないか?

 さあて、ねえ。子どもに対しての投薬というものはいろんな意見が飛び交うもので。
 これに関しては、ここをクリップ。

小さな疑問/新小児科医のつぶやき

 子どもって、だいたいはまあ普通におさまることでも、それでも予測がつかないことが起きるんだもの。それが子どもと大人との違いだと思う。この薬は無駄だったなあと、そういう結論になることが9割でも、何例かに(早めにこの薬の投薬があれば…)ってのが起きるものだと思う。えええええ???という感じで亡くなってしまった子どもはわたしの思い出の中にもいる。「この子の上にも実は子どもがいたのよ、亡くなったんだけどね」という話を加えればもう少し増える。
 ただ薬自体が無駄になる、ってことはあると思う。様子見ていてまあもう飲ませなくてもいいか、って判断はある。医師から「こういう状態になったら飲ませなくて良い」って言われる場合もある。そうして処分する薬もある、もったいないといえばもったいない。

結論、なのかな。

 誰かを救うために無駄が出るのかもしれない。でもその無駄な部分が出てくる程度にでもならなきゃ、誰かは救えないのかもしれない。医療費助成もそう、薬もそう。そしてもうひとつ。
 あの日あのとき見た光景。疲れ切った母、背負われるぐったりした子。風邪だったのかなんだったのか病名はわからない。受付の人とやりとりする会話を待合室の全員が聞こえる状況で聞いてしまった。本当は別室に連れていってやりとりしなきゃいけなかった内容だと思う。でも町医者でそんな場所は無かった。
 亭主がDVで逃げてきた、健康保険証が無い、金も無い、子どもの具合が悪い。離婚しなければ母子家庭の制度も利用できない。このときこの人の手に乳幼児医療証と、そしてここ数年で出てきた個人別の保険証があったらねえ、と、今は思う。少なくともそういう人は確実に救えているんではないか、とも思う。
 でもまあ、10歳以上は医療費助成、いらないよなあと思う。っつ〜か子どもって学齢時になった途端にとんと病院とは縁が薄くなる。だから一般的にはたいして恩恵も無いと思う。それに全体層が病院とは縁が薄くなるから「助成します!」と鼻息荒くしたって、動く金額はそんなに大きくもないとも思う。医療費助成するステキな自治体、っていう効果の方が大きいかも、ともちょっと思う。10歳や15歳の子が「タダだから病院行っとこ」ってなるわけでもなさそうにも思うしね。
 ちなみにうちのお嬢さんは重度障害児医療証ってヤツで、医療費は全額助成を受けてます。でも風邪程度で「タダだから行っとこ」って発想は無いです。病院行くのってめんどくさいもの。様子見られる風邪程度だったら、病院行って受診しても薬出してもらっても自己負担無いのはわかっているけど、薬局行ってお金出して売薬買ってくることの方が多いです。