リツエアクベバ

satomies’s diary

女の子を拾う

 所用先で。いかにも具合の悪そうな女の子。関係は顔見知り程度。なんだかやたらにしんどそうで(あらら)、と思う。
 ふむ…、と考え、今日の予定の時間計算。よし、と決断。
 「しんどそうね、だいじょうぶ? 家は近いの?どうやって帰るの?」
 吐いた直後。帰るためにはバス二本を乗り継ぐ予定。すぐにはバスに乗れそうもないので、しばらく休んでいようと思う。これが返ってきた答え。
 「ふむ、その休んでいるという時間、一時間待てる? 一時間待ってくれたら車で送っていく。」
 だいじょうぶです、もう少し休めばなんとかなると思います。これが返ってきた表側の言葉だけの答え。でもその表情は全く逆の答え。「送っていく」と言った途端に、ぼろぼろぼろっと大粒の涙がこぼれ落ちる。
 「ふむ、了解。ゴメンね、一時間だけ待っていてね。」
 ってことで、一時間後、女の子を乗せてちょっとしたドライブ。同じ県内の別の市まで。吐いたということで最近はやり始めた胃腸の風邪かと思ったら、なんだかストレスを抱えて体調が悪くなってるとか。ふむふむ、ではしゃべって帰ろうかと他愛もないおしゃべりを小一時間。
 話し出すと、頬に赤みが戻っていく。くだらん話で素直に笑う。変化が早いのは若さの柔軟性かなあ、いいなあ若いなあ、なんぞと思う。
 初めて走る道の右車線側のコンビニを、ちらっちらっと目でチェック。帰りに寄ろうかなと思って。送り届けてから帰りに、一軒目でコーヒーなんぞを買い、二軒目のミニストップでソフトクリームを買って食った。久々だったのでうまかった。
 帰り道にブックオフの看板を見つけて寄って帰る。ふむこんなとこにあった、知らなかった。棚からぼた餅。曾野綾子のエッセイ本を二冊購入。
 ってことで、ぽんと飛び込んだイレギュラーな予定。ぼろぼろぼろっとこぼれ落ちた涙がかわいかったな、と思う。
 ひとつ拾いもの。娘の話なんぞをしていて。まあ子どもに障害があるからなんぞという話で。どこに障害があるのかと聞かれて、いやありふれたもんよというニュアンスで一言「ダウン症」と答える。その反応に驚いた。ダウン症という名前は知っていたが、知的な障害を伴うってことを知らなかった。ふうん、そういう人ってのもいるんだな、なんぞと思う。なんかちょっと発見した気分。