リツエアクベバ

satomies’s diary

昨日はドラマデー

 最近、とんとテレビドラマというものを見ていないのだけれど、昨日は9時から11時までずっとドラマ見っぱなし。ってことで「ドラマデー」。
 まず一本目は「役者魂!」。fujiponさんのところに早速このドラマについてアップされていて、その感想に思いっきり同意。

■[TV]役者魂!/琥珀色の戯言

 fujionさんは、主人公が松たか子さんということで幸四郎さんを出していらっしゃるけれど、わたしはこの設定で思うのは、やはり平幹二朗。’93年に「シェイクスピア全37作品の上演に挑戦する」と発表されて以来、今、何本まで来たんだろうか、と思う。60歳でこの宣言、ってのは、やっぱりすごいし、さすが平幹、とか思う。
 19だったか二十歳だったかの頃、演目なんだか忘れたけれど、なんだか大きめのお芝居を観に行っていて。劇場ロビーをたったか走っていたわたしは、いきなりぱたっと止まった。
 後ろに何か、いる…
 幽霊だのってのは見たことはないのだけれど、たったか走っていたわたしのうしろに、確実に「何かいる」と思った。このなんだか得体の知れないものすごく強いオーラのようなものの存在を確かめるためにそーっと後ろを振り向く。
 平幹二朗が立ってました、そこに。でかかった。わーっと思った。こういう人がこういうオーラを出すのか、と思った。いや、でも、このドラマの本能寺海造演じている藤田まことも、多分同様かもしれない。
 しかしfujiponさんおっしゃるように、今のところワガママなオッサンでしかないこのドラマの本能寺海造さん。だいたい公演初日前夜にスタッフの断りなく舞台装置に手を加える俳優なんて聞いたことね〜よ。それも素人の手まで平気で使って。美術屋さんが見たら泣くんじゃないか。ドラマと言っても、ありゃ冒涜だよね。多分出演者自身たちがわかっているだろうこの冒涜、なんてことを実際大まじめにやらなきゃならないのって、へ〜んな感じだろうな、と思った。まあそういうことを受け入れていくことが社会人であるってことかもしれない、どんな仕事でもね。
 デフォルメしすぎの感はあるけど、それもまあエンターテーメント性ってことで。松たか子藤田まことがステキなので、最後まで観たい。リチャード三世のポスターが、いいな、と思った。
 で、二本目は「僕の歩く道」。初回はころっと放送時間を忘れ、気づいたら11時を過ぎてたという失態。いや、このドラマはドラマを見ようという感覚ではなく、自閉症をどう取り上げるかという、検証のようなやらしい興味だと思う。
 そのやらしい興味。でも、当事者ではない分、遠慮がちの検証。口も自然と重くなる。身近でしかも当事者ではない、ってことは、そういうことかもしれない。
 ドキッとしたのは、やはりきょうだい児のシーン。末娘が「夜、コンビニでバイトをする」と母親に告げるシーン。夜?と聞き返しつつ、あなたのことは全然心配していないから、と返す母親。娘の顔も見ず、もちろん目も合わせず。うわ〜〜、っと思うよね。きょうだい児である末娘は、やはりきょうだい児の心理という反応を見せ、かなりきつく自分の中にこのシーンの印象が収まる。「母親」が出しやすい言動含め、丁寧に作られた印象が強い。
 草なぎ君の、いわゆる演技というもの。自閉症がどうか、ってより、「レインマン」のダスティ・ホフマンの面影アリ。見たのかな、参考にしたのかな、それとも普通の人が自閉症者を演じようとしたときに共通性があるのかな。
 作り手の真剣さが伝わってくるような印象を強く持つ。次週は小学生の甥が主人公から金をだまし取るらしい。や、や、やるなあ、このドラマ、なんてことを思う。火曜日の夜が待ち遠しい。