リツエアクベバ

satomies’s diary

千葉の事件から考えること

 娘が小学校障害児学級在籍時、プール指導において「信頼」があったと思う。それは水に入るときに「一対一」もしくは「一対二」態勢を取るために人員配置に苦慮されていた管理を知っていたからだと思う。どんな理由であれ水の中において、担当教諭が「3分以上目を離す」ことなど考えられなかった
 養護学校の中学部に進み、プール指導の報告の中に「ライフジャケットを付けて」という記載がよく出てくる。体育時に人員配置の態勢は「一対二」。これが水の中に入ったときにどういう態勢、どういう人員配置になっているのか、そういえば聞いていなかったな、と思う。しかし「ライフジャケットを付けて」という記載は、安心感を持てるものだと思う。

 児童の身長は約130センチで、事故地点の水位は90センチだった。
事故:市川養護学校プール授業、6月に男児おぼれ意識不明 県教委、公表せず /千葉

 身長130センチで水位90センチ。知的障害をもつ児童の教育の場において、この状態で何故「目を離す」ことができるのか、非常に不思議だと思う。娘は現在身長138センチだかそのくらいだけれど、水場にわたしが連れて行く場合はこの水位においても、「浮き輪をつけない状態」では、そばから離れたことも目を離したことも一度も無い。
 小学校の低学年時期、娘はあるスポーツクラブの水泳指導に参加したことがある。これは一般のクラスに混ぜるものではなく、「知的障害児対象のスイミングクラス」。人員は「一対二」で、一人に対して指導をする場合、講師はもう1人の子どもの手を必ず握っていたことを思い出す。指導中において「目を離す」ことはあっても、「手を離す」ことは無かった。

 県教委によると、学校での事故の公表基準はなく、公表は「総合的に判断している」という。今回の未公表の理由について「死亡事故でなく、原因も明らかでない。警察も捜査中だ」と説明している。
事故:市川養護学校プール授業、6月に男児おぼれ意識不明 県教委、公表せず /千葉

 「原因も明らかでない」。わたしはこの言葉自体が信用できない。現場に明らかに原因はあったはずで、このことを公表しない千葉県教育委員会は卑怯だと思う。意識不明が続く状態で病院に通い続けている該当児童の保護者のことを思うと、胸が痛いし、いわゆる悔し涙というものが抑えられない。無念だし、くやしい。再発は許されないからこそ、きちんと公表して欲しい。
*2006/8/4-S:今日の一言
*追記*

Sankei Web地方版「授業中おぼれ男児重体 市川の養護学校 県教委、公表せず」
 男児の身長は約130センチ。プールは水深90〜110センチで、安全のため子供の技量に合わせてビート板や浮輪を装着させるが、男児は水に慣れていたため持っていなかったという。

 「90センチ」と「90〜110センチ」ではずいぶん違う。「水に慣れていたために持っていなかった」のなら、なぜ目を離したんだろう。「水に慣れている」という基準はどんなもので、「道具を使う」基準はどんなものなんだろう。