リツエアクベバ

satomies’s diary

学校の夏休み中の登校日

 夏休み中の「登校日」に関して、具体的なデータを提供するために、霞先生にトラックバック送信するためのエントリ。

■[学校の裏話]「登校日」は授業日数に含まれない
■[養護学校]登校日(第2回)
特殊学級担任→養護学校教諭の“ここだけの話”

 学区の小学校では去年だったかおととしからだったかに「サマースクール」というものが始まりました。夏休みが始まってから最初の数日に行われ、希望者参加。事前に参加希望を出します。内容は算数の復習。息子本人に行くか行かないか意思確認をして決定しますが、基本的にわたしは「無理に行かんでいい」という母。
 理由はうちは学区のはずれで学校から遠く、夏休みに入ってクソ暑い中30分弱かけて坂を上ったり下ったりしてまで行かなくていい。学校に行ってもどうせクソ暑い。そこでやることは家でやればいい、わからないとこがあったらわたしが教えてやるから、というもの。単に遠い、というより、やっぱり暑くなると急坂含めアップダウンのある道は非常にキツいと思う。入学式から1〜2週間もすれば「いってらっしゃい」と手を振るだけの母親とわたしは違う。何年も娘の登校に付き添って、春も夏も秋も冬も自ら通学路を行き来した上での感想。
 夏休み中の「登校」の機会は、このサマースクールと水泳指導が数日。いずれも希望者参加で「全員が行く登校日」はゼロ。
 娘の養護学校の夏休み中の登校日は3日。7月に二日、8月後半に一日。内容は学年の担任が決めますが、だいたい水泳学習が二日。一日は水泳学習ではないものが企画される。またこの三日間のうち一日は保護者主催の「親子行事」にあてられることが多い。
 「親子行事」。もともとは長い休み中に、なかなか行き場の無い子どもたちのために、親が協力しあって子どもを楽しませるための企画を組む、ということだったようで。年数を経るにつれてなのか、親が変わったのか子どもの障害の傾向が変わったのか、休み中にスクールバスも動かない日に、わざわざ学校に行きたくない。どうせやるならスクールバスが動く夏の登校日に合わせて、プールの後の時間を利用したい、って傾向が増えていった様子。
 企画の内容を決めるのもなかなか大変。この子はコレが好き、でもこの子はそれは全く苦手。この子はここに行くと楽しい、でもこの子はそういう場所はとても苦手。話し合いの中でひとつの案が出ても、すぐに別の子のマイナス条件が出てきて、なかなか企画はまとまらない。こうした要素をまとめて集団の中で行事構成をしていく教員の方々に、改めて敬意の念を抱く思い。
 今年の親子行事は7月に行われた。プールの後に昼食からめて。企画の内容は「うちの子3分紹介」。ビデオでも写真でも特技でもなんでも、とにかく子どもの一面の紹介をできるものを持ち寄って、発表しあうこと。
 この企画、すっごくおもしろかった。なかなか接点をもたない他の子の一面というものを、映像や写真で、そうかあなんて思いながら見る。ムームーという音だけだけれどこの子は歌を歌うのか。活発に動きまわっているこの子は幼児期に、こんな訓練を何年も積み重ねて歩行を完成させていた経緯があったのか。この子はこんなことが好きなのか。この子のきょうだい児はこんな感じの子なのか、etc、etc。
 8月の登校日の内容の予定は「遠足」。お出かけしてそこで外食。夏のお出かけのシーンのひとつを担任集団が担ってくださる。登校日、というよりは、クラスメートと共に夏の外出、というシーンを担任集団が支援してくれているようなものと解釈。
 プール開放は、夏期休業中、基本的に毎日。保護者の送迎のもと、保護者付き添いか自前でボランティアさんの確保が条件。この養護学校の児童生徒だけでなく、近隣の小中学校の障害児学級の児童生徒も参加対象。人気は高いらしく、財政難から「プール開放の実施自体や日数の検討」が行われたこともあるようだが、実施継続の要望は高い。ちなみにうちは参加経験はナシ。理由は家の近くの公営プールで間に合うから。つまり一般的な場に混ぜても、とりたてて問題が出ないタイプの障害だから。それでもこの「夏休み中毎日プール開放、学外の子も参加可能」という内容の意義は存分に理解できる。
 学校説明会のような場で、休みの長さ、休み中の要望なんていうものがよく出てくる。こうした話を聞きながら、養護学校という場は教育施設としての意味合いだけでなく、福祉施設としての意味合いも実質含まれていくものなのだなあと思う。その中で、わたしは、学校は教育施設なのだから、障害児教育実践の場だからこそ、長期休業の中で教員に研修の機会をたくさん持って欲しいと思う派。登校日の増加よりも、長期休業ならではの研修の充実の方を望むなあ、と思う。
 休み中の障害をもつ児童・生徒の生活支援は福祉というカテゴリーで行われるのが順当だと思うし、このことに関しては学校ではなく行政主体の「余暇支援事業」の充実が必要だと思う。横浜市では各区、または各区社会福祉協議会によって様々な企画が増えていて、実績が少しずつ積み重なっていると思う。こうした企画の実施に関しての人材確保には、横浜市ボランティアセンターの協力も大きいし、また、教員の新人研修の機会としても利用されているようで、夏期余暇支援事業に参加して娘についてくださったボランティアの方が、近隣の学区の教員の方、という機会も幾度か経験。交流教育の充実のためにも、こうした研修の意味は大きいと思う。

横浜市障害者プラン Ⅱ 重点施策 (5)障害児の生活・学習環境の整備
学齢障害児夏休み支援事業
学齢障害児の夏休み期間中における余暇活動の充実及び保護者の介助負担の軽減を図るため、教員や地域協力者によるプール開放や部活動・文化活動を行います。